G7が終わりました。韓国の文在寅大統領も参加していましたが特に成果はありませんでした。韓国メディアではG7の総括が出るはずなのですが、成果がなかったのでそれも出ておりません。総括のしようがないためでしょう。
しかし『OhmyNews』に面白い記事が出ていますのでご紹介します。日本の反対で「韓国を含むG7への拡大がなかった」という内容です。元になっているのは『日本経済新聞』の2021年06月13日付けの以下の記事です。
⇒参照・引用元:『日本経済新聞』「G7拡大ありえるか? 英が主導した『D11サミット』」
「D11」は日本に都合が悪いのか?
『日本経済新聞』記事の主旨としては、
しかし、「D11」は「G7」に代わる枠組みになるかもしれない。
アジアで唯一のG7参加国である日本にとって「D11」構想は都合が悪い。G7の関係者の話によれば、日本はイギリス側に「ゲストとして呼ぶのはいいがG7の枠組み拡大には反対だ」と伝えた。
です。この『日本経済新聞』の報道を受けて韓国メディア『OhmyNews』では以下のように書いています。
韓国が含まれる場合、日本がアジアで唯一のG7国家としての影響力を維持するのが難しくなるというのが理由だとこの新聞は伝えた。
関係者は「日本が今回のG7サミット議長国である英国側に韓国、オーストラリア、インド、南アフリカ共和国を招待国と呼ぶことは賛成だが、今のG7構造を拡大することは反対するという立場を伝えた」と明らかにした。
また、慰安婦と強制徴用問題、独島表記など韓日間の過去の歴史をめぐる対立が激化したことも背景として挙げられる。
(後略)
ちなみに、「また、」で始まる最後の文は『日本経済新聞』にはありません。勝手に加えた『OhmyNews』の推測です。
この関係者が誰で、本当にそのような言ったのかは分かりませんが、日本にとってG7の拡大は確かに面白くない話かもしれません。しかし、あたかも日本の反対で構想がぽしゃったという書き方はいかがなものでしょうか。
仮に日本が反対したとしても、反対なのは日本だけではないからです。
「日本の反対のせい」ではないのでは?
そもそもG11というG7拡大案が出たのは、アメリカ合衆国前大統領トランプさんの発言が元になっています。
2020年05月に、急遽開催を言いだし、ドイツから「コロナ禍なので延期しようよ」と即座に反対が表明されました。また、拡大案にも反対としました。
ゲスト参加するのはいいが、これはG7の拡大を意味しないと釘を刺しました。日本は当初、トランプ前大統領の突然の提案に「分からない」と態度を保留していたのが本当のところです(例えば以下の記事)。
⇒参照・引用元:『朝日新聞』「トランプ氏「G11」を構想 日本政府は『分からない』」
『日本経済新聞』の報道が本当なら、日本は「G7の拡大」に明確に反対の意思を表明したのでしょう。しかし、「韓国を含むG7の拡大」が成らなかったのは、日本の反対のせいだけではないはずです。
(吉田ハンチング@dcp)