韓国は何かというと「親日清算」と言い出し、日本の植民地支配に協力した人物を特定し、攻撃。その人の業績まで消し去ろうとします。
そんなことをしても全くの無駄で、そのような行為は国の歴史をも消滅させることなのですが、これを理解していません。
そもそも韓国が国旗としている、いわゆる「太極旗」も親日派とされる人物が考案したものである、ということをご存じでしょうか。
国歌(愛国歌)の作詞家もです。
松本厚治先生の著作から引用してみます。
(前略)
太極旗を考案した朴泳孝は日本帝国の候爵、国歌(愛国歌)の作詞者尹致昊は同じく男爵だった。尹致昊は壬午軍乱の謝罪使として渡日し、以後独立党の大立者となり、甲申政変に参加、失敗して日本に亡命した。
日清戦争の勃発とともに帰国し、日本の推挙で内部大臣に任じられている。
併合後は、朝鮮人最高の官職である中枢院副議長として日本の統治機構の一翼を担い、正二位、旭日大綬章が授与されている。
その生涯できわだっているのは日本との関係で、義兵や独立戦争とはおよそかかわりがない。
尹致昊も一七歳のとき紳士遊覧団の一員として日本に渡り、中村正直の同人社に入学、のち甲申政変に参加した。
その父尹雄烈は、李朝末期の親日内閣の軍部大臣を務め、併合後男爵に列せられた。彼はその爵位を継ぎ、のち貴族議員にもなっている。
当時この人は、こんなことを言っていた。
「内地人も 天皇陛下の赤子であり、朝鮮民族も 天皇陛下の赤子であって、一視同仁の下に等しく生活するのは内鮮一体の基礎原則である。此の原則の上から内鮮一体を実現する方法は一つしかない。即ち我々は内地人たると朝鮮人たるを問はず、皇室に対し奉り徹底的に忠良なる臣民となるのが唯一の方策であると信じる」
(後略)⇒参照・引用元:『韓国「反日主義」の起源』著・松本厚治,草思社,2019年03月04日 第1刷発行,pp141-142
※強調文字、赤アンダーラインは引用者による。
現在の太極旗が考案されるまでの顛末
松本先生の著作にあるとおり、現在も使われている太極旗の考案者は朴泳孝さんと目されています※1。
朴泳孝さんは、併合前に壬午軍乱の謝罪使を務めて日本を訪問し、その旅で起こった出来事について日記をつけていました。これは『使和記略』として現在に伝わっています。
それによると、朴泳孝さんは1882年09月20日に仁川を明治丸に乗って出発。
船中でイギリス領事のW. G. アストンさんとジェームス船長に「八卦と太極文様」※2を描いた「太極図」を見せて意見を聞きました。
しかし、ジェームス船長からは「八卦が複雑で区別しにくいので、他国がこれを見て作るのに不便だ」という意見が出たのです。
そこで、朴泳孝さんは八卦を半分の四卦にし、傾けて四隅に配したデザインに変更。急いで船旅の間に大・中・小3本の太極旗を作ったのです。
09月25日に神戸へ到着した朴泳孝さん一行は、宿泊先の西村旅館で初めて太極旗を掲げた――と次第を伝えています。
※1ただし異説あり。
※2現在の太極旗の基になった「八卦と太極文様」は馬建忠さんがデザインしたとされています。
太極旗と国歌は親日清算しないのか?
太極旗を考案したとされる朴泳孝さん、国歌(愛国歌)の作詞家である尹致昊さんは、第二次世界大戦後、親日派として非難されることになりました。
1939年に亡くなった朴泳孝さんは生きているうちにそのような苦難を味合わずに済みましたが、2005年08月29日、親日人名辞典の第1回リストが公表され、親日派リストに、朴泳孝の名前が掲載。親日反民族行為者にも認定されました。
尹致昊さんは1945年、親日派と非難される中、亡くなっています。
親日清算と声高に叫び、親日派と断じた人の業績を消して回る韓国ですが、それなら「太極旗」や「国歌(愛国歌)」もまた消さなければならないのではないでしょうか。
ダブルスタンダードといわれても仕方ないでしょう。
松本先生は以下のように述べていらっしゃいます。
(前略)
しかし個々の具体的な事実については、その大半がどうでもよい些末なものとしても、なかには重大な意味を持つものがある。それはどのような恣意的操作も受けつけない。
国旗は安重根が考案し、国歌は金九が作詞したとは、まさか言えない。
大韓民国の象徴に日本帝国の二人の貴族の名が刻印されている事実は、どうすることもできない。
そのこと自体が、近代を抗日の近代として描き出そうとするすべての試みの虚妄を、如実に証しているのである。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国「反日主義」の起源』著・松本厚治,草思社,2019年03月04日 第1刷発行,pp144
※強調文字、赤アンダーラインは引用者による。
松本先生の指摘どおりで、韓国の親日清算なるものは虚妄というしかない「こうあってほしい歴史」に沿って行われています。しかし、そんな浅はかな行為でも糊塗できないものがあるのです。
(吉田ハンチング@dcp)