先にご紹介したとおり、北朝鮮が放った無人航空機(UAV)が韓国に侵入。韓国軍は撃墜しようとしたのですが、領空に侵入したとされる5機を全て撃ち漏らすという失態を演じました。
それどころか、後になって実は大統領執務室の置かれた龍山近くまで無人機が来ていたことが判明。
野党『共に民主党』は「大失態」と政権与党『国民の力』を非難。『共に民主党』党首の李在明(イ・ジェミョン)さんは「国民に謝罪せよ」と声を上げました。
大統領室の爆撃が可能だった!
↑赤いルートが北朝鮮の無人機の侵入ルート。韓国軍はヘリ、軽戦闘機を出撃させましたが1機も落とすことはできませんでした/元図は韓国国防部公表
上掲は、韓国国会で開かれた「国防委員会」全体会議で国防部から提示された、今回の無人機の侵入ルートです。一部では北朝鮮から侵入したのは「12機」という情報もありますが、国防部はあくまでも5機と主張。
上掲のとおり、大統領が執務している龍山区(国防部もあり)まで直上まで侵入されていたわけです。もし爆撃の意図があれば成功していたと考えざるを得ません。
このような情報が遅れて出たことについても、野党『共に民主党』からは事実を隠蔽したいたのではないか」と批判されていますが、国防部は「隠蔽していたのではなく、詳細な分析に時間が掛かったため」と説明しています。
また、与党『国民の力』からは「政権を得てから7カ月しか経過していないので、無人機への対応を完了するのは無理だ」と、反論になるのかどうか分からない釈明が出ています。
また、前文政権では「無人機に侵入されたことに37日間も気づかなかったことがある」として野党『共に民主党』を批判もしています。
しかし、このようなどちらの政権に責任があるのかを追及することに意味などありません。
問題は、北朝鮮の無人機侵入に対して「国防部が全く何もできないこと」が証明されたことです。これからどのように対応できるのか、次来たときに発見・撃墜できるのが問われなければならないでしょう。
――というわけで、2023年01月09日、韓国メディア『ソウル経済』に興味深い記事が出ました。防衛産業の一翼を担う企業『ハンファ』が無人機を撃墜できる国産レーザー砲の研究開発を事実上完了した、というのです。
「命中率100%の韓国版アイアンレーザーが完成!」と主張
↑「韓国版アイアンレーザー」なる物のイメージ図。PHOTO(C)『ハンファ』
韓国メディア『ソウル経済』の記事から一部を以下に引用します。
↑韓国の対空レーザー兵器Block-Iの形状図/PHOTO(C)『韓国 防衛装備庁』(前略)
09日、複数の消息筋によると、『国防科学研究所』(ADD)が開発してきた「レーザー対空兵装Block-I(ブロック-I)」が昨年完成し、現在運用試験評価(OT)が行われている。Block-Iは、10回以上実施された運用試験評価迎撃試験で「百発百中」の性能を達成したと伝えられた。
特にレーダーと連動して試射してみると、10㎞以上離れたカササギ・カモメの大きさの物体まで正確に検出し、数㎞の距離で迎撃できたことが分かった。
これにより02月中にテストが完了する予定だ。
(中略)
他の消息筋からも「今後、前方、主要施設などに多数配置すれば、(昨年12月26日)韓国領空を侵犯した無人機(全長1.8mの大きさと推定)はもちろん、それよりはるかに小さい小型ドローンも全て落とすことができると思われる」と明らかにした。
今回の国産レーザー砲の1回当たり発射費用は2,000ウォンに過ぎない。
(後略)
一射2,000ウォン(約200円)という激安で百発百中としています。
本当であれば、スグにでも配備して使った方がいいのではないでしょうか。ただし、韓国の場合には「送電網がありませんでした」みたいな、ばかな話にならないように気を付けていただきたいところです。
まだ実戦配備用の予算が計上されていないので、量産・配備は無理ですが。
(吉田ハンチング@dcp)