先にMoney1では「『半導体がこけたら韓国はおしまい』感が出てきた」という件をご紹介しましたが、そろそろ背筋が寒くなってきたと考える人は韓国にもいらっしゃるようです。
2020年08月12日、韓国の経団連といわれる『全国経済人連合会』が「グローバル輸出大国の現状と示唆する点」という興味深いリポートを出しました。
これは他国と比較して韓国の輸出産業の問題点について指摘したものです。
韓国は輸出1本で食べている国ですが、まず、その輸出が製造業による物品に偏っており、サービスの輸出が拡大していない点を指摘しています。
この点についてはMoney1でも記事にしたとおりで、直近の2017年01月から2020年06月までを見ただけでも黒字になったことは一度もありません(単月黒字もない)。
で、物品の輸出についてですが、『全国経済人連合会』のリポートでは以下のように書いています。
(前略)
韓国の10大輸出品目への依存度は46.3%であり、他の国の10大輸出品目への依存度の平均である36.0%より10%p以上高く、特に半導体には14.6%と偏って依存しており、半導体の景気変動が韓国経済に及ぼす波及力が大きいことが分かった。(中略)
石油、金などの資源を除いた世界の10大輸出品目で韓国が占める割合は、乗用車・半導体・無線通信機器など(ママ/原文は「など」ですが、あと一つは「自動車部品」:筆者注)を除くと1%前後にすぎなかった。
(中略)
一方、世界10大輸出品目を成長を基準に再分析した結果、韓国は過去5年間の年間成長率上位5品目のうち、半導体のみ唯一4位を記録し、残りのアイテムはすべて10位圏外のことが分かった。
(後略)
⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』公式サイト「グローバル輸出大国の現状と示唆する点」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
つまり、
韓国は他の国に比べて輸出依存度が高い。しかも半導体に偏って依存している
世界で主要輸出品として急成長している品目に入ったのは半導体だけ
というわけです。
曲がりなりにも世界の中で、シェアが高いといえるのは、
半導体
無線通信機(要はスマホです)
自動車
自動車部品
の4つだけとなってますが、自動車産業が総じて弱体化しているのは以下でご紹介したとおり。
自動車部品メーカーが今回の新型コロナウイルス騒動でドミノ倒産の危機にあるのも以下でご紹介しました。
スマホはアメリカ合衆国と欧州ではシェアを伸ばしていますが、中国では締め出され、インドで負けかかっているのは以下でご紹介したとおりです。
こうして、韓国のコアともいえる4つの輸出品目を並べてみても、先行きが期待できるのはやはり半導体だけなのです。
このとおり、『全国経済人連合会』のリポートでも、「半導体がこけたら韓国はおしまい」が見てとれます。
合衆国による最後の一撃(finishing stroke!)
さて皆さま、では韓国の半導体はこれから先も大丈夫でしょうか?
浅学非才の身ではありますが、筆者(バカ)は危ないと考えています。
合衆国と中国の対立で、合衆国は中国に対する半導体の供給を断とうとしています。
韓国の最大の輸出相手国はどこでしょうか? 中国です。
合衆国は韓国から中国への半導体供給も断とうとする可能性があります。
全く皮肉なことに、韓国の人が血盟と信じる合衆国によって韓国の半導体はクリティカルヒットを加えられるかもしれないのです。上掲のとおり半導体に依存していますので、そのような事態になったら、韓国経済の竜骨が折れることになります。
(柏ケミカル@dcp)