「成長の罠」に魅入られないこと! 個人投資家は損を引き受けてしまう!

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株式投資をこれから始めようという人は、やはりいきなりプールに飛び込まず、一応基礎知識を得るために本を読むなどして、準備体操・ストレッチを行ってからの方が良いでしょう。

昨日「社名を変えて株価が約3倍」なんて話をご紹介しましたが、やはり「投機」と「投資」は違うという認識をはっきり持たなければなりません。

新しいテクノロジー、成長しそうな技術が登場すると、その中身も確認せず雰囲気でお金を突っ込んでしまう人がいらっしゃいますが、それはやはり良くありません。

Money1ではよく引きますが、ジェレミー・シーゲルは著書の中でそれを「成長の罠」と呼び、これに魅入られることを初心者に向けて第一に戒めています。長いですが、その部分を引いてみましょう。

<<引用ここから>>

(前略)投資家は、ビル・ゲイツら革新者の巨万の富を見るにつけ、投資するなら革新的な新興企業に投資するのが正解だと考えるようになる。古い企業はいずれ先端技術の前に敗れ去るのだから、避けるにかぎる。

自動車にはじまり、ラジオや、テレビや、最近ではコンピューターや携帯電話でそうだったとおり、新たな市場を切り拓く企業は、経済全体を牽引するだけでなく、きわめて高い収益を上げてきた。

投資家は当然ながら、旧来の技術を一掃する革新的な新興企業を投資の中心に据える。向こうが儲かるほど、こちらの財産も膨らむはずだからだ。

ところが、こうした投資戦略の根柢にある前提は、どれもこれもまちがいであることがわかっている。もっというと、わたしの調査によれば、事実はまったく逆だった。

新興企業や新興業界のリターンは、全体に冴えないどころか、数十年前に創設された老舗企業を、たいていの場合、下回っている。

成長に目を奪われると、落とし穴に足をとられる。これにとらわれた投資家は、なんであれ次の波と思えるものに資産を注ぎ込む。だが時代の最先端を行く企業が、投資家にとってお買い得であることはめったにない。(後略)

⇒引用元:『株式投資の未来 永続する会社が本当の未来をもたらす』著ジェレミー・シーゲル/瑞穂のりこ訳(原題:The Future for Investors)P.5より引用/強調文字は筆者によります

<<引用ここまで>>

詳細については原著を当たっていただければ……なのですが、シーゲル先生の研究は実際に過去のデータを遡って調べた結果、なので信頼の置けるものです。端的にシーゲル先生の結論だけ述べれば、こうなります。

個人投資家は、その成長の分け前に預かろうとして、損失を引き受ける役割をしている、と。

(柏ケミカル@dcp)

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