テレビなどの一般報道ではあまり触れられませんが、韓国では失業問題が深刻です。コロナ禍により失業率は「3.4%」(2020年11月時点)に上昇。若年層失業率は「8.1%」と特に若い世代で失業が深刻になっています。
この事態によって「失業給付」(いわゆる失業保険)を申請する人も急増し、以下のように2020年の失業給付総額は「11兆8,507億ウォン」にも上りました。
「雇用保険基金」は2020年に事実上枯渇していた!
失業給付の金額は雇用保険基金から拠出されるのですが、先にご紹介したとおり、2020年03月時点でこの基金には「7兆2,458億ウォン」しかなかったのです。
毎月雇用保険の支払いによる収入があるにしてもよくもっているな――だったのですが、2021年02月03日、韓国雇用部によれば、2020年すでに雇用保険基金が事実上枯渇していたことが分かりました。
失業給付、失業支援金の給付のために「雇用付加公的資金管理基金」から「4兆6,997億ウォン」の融資を受けていたのです。また、国会予算政策処によれば、雇用保険基金の赤字は「7兆9,389億ウォン」と計算されました。つまり、雇用保険基金はすでにないも同然なのです。
また、融資を受けた分の利子払いが2021年末までに「1,330億ウォン」もあります。
2021年も雇用保険基金は、「雇用付加公的資金管理基金」から「3兆2,000億ウォン」を追加で借り入れる予定です。また、韓国政府は雇用保険の料率を現在の「1.6%」(労使で折半する)から上げるための議論を始めるとしていますが、あまりにも遅すぎる対応といえるでしょう。
韓国の社会的セーフティーネットは「低負担・低福祉」が通り相場だったのですが「低負担」では済まなくなりつつあります。
「頭の悪い働き者」がトップに立ったせい
ちなみに、これはコロナのせいではありません。文在寅大統領(就任2017年)になってから、
2019年:2兆877億ウォンの赤字
2020年:7兆9,389億ウォンの赤字
※2012~2017年は黒字です(念のため)
と盛大な赤字です。ですから、この雇用保険基金の枯渇は全て文政権のせいだと指摘できます。頭の悪い働き者が大統領になったせいで、この事態を招いたと言えるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)