「株取引を始めよう!」と思っている人にとってハードルとなるのが「専門用語」を覚えることです。普段の生活ではまず出ないような用語も多くあるので、覚えるのが大変だったりします。しかし成功を引き寄せるにはひとつひとつ覚えることが肝心。そこで今回は、数多くの専門用語の中から、「寄付」「引け」「不成」の3つをご紹介します。
■株式相場を見るために欠かせない3つの用語
「寄付」「引け」「不成」は株取引に関する用語です。寄付は「きふ」ではなく「よりつき」と読み、引けは「ひけ」、不成は「ふなり」と読みます。では、それぞれの意味を見ていきましょう。
●「寄付」
「寄付」は、株式市場において「前場(ぜんば)と後場(ごば)それぞれにおいて最初に成立した取引」のことです。日本の株式市場の営業時間は、前場が9時から11時30分、後場は12時30分~15時(東京証券取引所の場合)。このそれぞれの場で最初に成立した取引を「寄付」と言うのです。
ただ、ひと言で寄付と言ってしまっては前場と後場のどちらの寄付なのか分かりにくいため、後場の寄付を「後場寄り」と呼びます。「○○の後場寄りは1,480円だった」とあれば、後場で最初に成立した取引価格は1,480円だった、という意味になります。
●「引け」
株式市場において最初に成立した取引は寄付ですが、反対に「前場と後場それぞれで最後に成立した取引」のことを「引け」といいます。引けも前場と後場のどちらのものか分かりにくいですから、前場の引けは「前引け」、後場の引けは「大引け」と呼んで区別します。
また、引けでの取引価格のことは「引け値」といいます。この場合も、前場では「前引け値」、後場では「大引け値」といいます。ちなみに、最後に成立した取引だけでなく、市場の「終了時間」のことも「引け」と呼びます。
●「不成」
「不成」は注文方法のひとつで、正しくは「不成注文」といいます。不成注文は、前場・後場の取引時間の終了までは指値(売買価格を自分で設定する注文)で売買を行い、もしそれまでに売買が成立しなかった場合は自動的に「成行注文」を行う、というものです。
成行注文は、買いの場合はそのとき最も安い価格で買い、売りの場合は最も高い価格で売ります。売買の執行を優先するため、「とにかく買いたい・売りたい」というケースでは重宝しますが、希望より高い価格で買ってしまったり、安い価格で手放してしまったりするため注意しないといけません。
「寄付」「引け」「不成」の3つの用語についてご紹介しました。どれも株取引の世界では非常にポピュラーな用語ですし、基本的な用語ですから、ぜひこの機会に覚えておくといいですね。
(中田ボンベ/dcp)