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韓国『サムスン電子』の「米に20兆投資」が全然進まない理由とは?

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韓国『サムスン電子』がアメリカ合衆国170億ドル(約1兆8,870億円)規模の半導体製造工場(ファウンドリー)を建設する――と表明してからすでに3カ月以上が経過しています。

米韓首脳階段の手土産になった『サムスン電子』の新工場

この話は、米韓首脳会談の際には、文在寅大統領がバイデン大統領を喜ばせるための手土産になりましたので、ご存じの方も多いでしょう(このときからだと1カ月以上経過)。

Money1でも、『サムスン電子』がテキサス州と「工場を建設するので減税よろしく」といった条件交渉に入っている、などをご紹介したのですが、建設予定地がまだ決まりません。

「どの州に建てようかな、一番条件のいいところにしよう」などとより好みをしていることは伝わってきていましたが、ここまで決まらないのはおかしなことです。

一応候補地としては、

テキサス州オースティン
アリゾナ州フェニックス
ニューヨーク州バッファロー

3カ所が俎上に上っております。

テキサス州オースティンでは既存工場があり、そこでは毎週のように「工場建設(この場合は増設)が決まった」とニュースが出てはガセでした、というオチがついている――その件もご紹介しました。これがもう2カ月前のことです。

なぜ『サムスン電子』は沈黙しているのか?

『サムスン電子』は不気味に沈黙を守っているのですが、この理由について合衆国の「半導体製造支援法」(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductorsの頭文字を取って「CHIPS法」と呼ばれる)が成立するのを待っているのではないか、という推測が出ています。

「CHIPS法」は、先にご紹介した「US Innovation and Competition Act of 2021(合衆国イノベーションおよび競争法)に含まれています。

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この「CHIPS法」には、

・政府からの補助金「100億ドル」(約1兆1,100億円)
・最大40%の税額控除

が盛り込まれており、さらにホワイトハウスが「最低500億ドル」(約5兆5,500億円)と大盤振舞いな提言を行っています。

韓国メディアによれば、『サムスン電子』の工場建設がこの法律の恩恵を受けられれば「固定資産税の減免を含む10億ドル(約1,110億円)の支援パッケージを受けられる」とのこと。

『サムスン電子』はこの支援を受けたいがために同法案の法律化決定を待っているというわけです。

ただ、『サムスン電子』グループ総帥、李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が実刑判決を受けて拘置所にいることも、投資決定が遅れている理由の一つだと考えられます。

なにせ最後にハンコを押す人が拘留されているのですから(裁判所の判断なので仕方ないかもしれませんが本当にお気の毒です)。

(吉田ハンチング@dcp)

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