小ネタかもしれませんが、韓国経済に大きな影響力のある話ですのでご紹介します。もしかしたら、それどころではなく国の存立にも。
人口の減少です。
韓国は日本の2倍のスピードで老化する!
『朝鮮日報(日本語版)』に「韓国、2045年には日本よりも老いた国に」という記事が出ています。
ここで書かれていることは、人口学者によってずっと以前に指摘されていたことですが、重要なデータを記事から一部引用します(記事が基にしているのは韓国統計庁と日本内閣府のデータです)。
「高齢化率」日韓比較
2020年
日本:28.9%
韓国:15.7%2045年予測
日本:36.7%
韓国:37.0%
高齢化率というのは「総人口に占める65歳以上の人口の割合」です。
2020年には、韓国では総人口に占める65歳以上の人は「15.9%」だったのですが、これが2045年には「37.0%」になり、日本の「36.7%」を抜きます。
Money1でも「韓国は日本よりもずっと早く老いていく」とご紹介してきましたが(人口学者の先生の指摘をただ引いただけです)、韓国は日本の2倍のスピードで老化していきます。
高齢化率15.7%から33.9%まで上昇するのに日本は「1997年 ⇒ 2036年」で39年かかるのに、韓国では「2020年 ⇒ 2040年」の20年で駆け抜けるからです。
人口の半分以上が60歳以上になる!
また記事中にある「中位年齢」についての予測も大変興味深いものです。
中位人口というのは、総人口を年齢順に並べて真ん中にくる人が何歳なのかを表します。韓国の中位年齢は以下のようになります。
韓国「中位年齢」推移
1980年:21.8歳
2020年:43.7歳
2039年:54.0歳
2056年:60.1歳※データ引用元は同上
先のことながら、2056年には「人口の半分が60歳以上」になるのです。
人口学というのは面白い学問で数値予測がほぼ外れません。よほどのことがない限りこのように推移するものと思われます(合計特殊出生率の著しい低下が見られるのでこれよりひどいことになる可能性あり)。
余談ながら、それゆえに「中国で公式発表された2020年の人口はおかしいんじゃないか?」という指摘にも説得力があるのです。
原因は「人口減少」です
このような急速な老化は、人口減少のせいです。出生数が極端に減少しており若者の数が減って相対的に年齢の高い人が増える一方になるのです。
韓国は「合計特殊出生率」※が世界最低の「0.84」(2020年)に落ち、2020年に人口の自然減少フェーズに入りました。
韓国の統計庁が2021年09月29日に公表した「2021年7月の人口動向(出生、死亡、婚姻、離婚)」のデータをプロットすると出生数と死亡数の推移は以下のようになります。
上掲のとおり、2021年に入ってからも死亡数の方が出生数を上回り、そのため人口減少が続いています。07月だけでも「3,338人減少」しました。2021年01~07月の累計では、人口は「1万9,029人」減っています。
そら恐ろしいとは思われませんか。わずか7カ月で約2万人の人口が消えたのです。
2021年には合計特殊出生率が「0.7台」に落ちると予測されています。そうなると人口減少の速度はさらに加速します。
韓国のネットでは時に「国がなくなる」などという意見を見掛けますが、あながちうそとも言えません。
※合計特殊出生率は「女性一人が15歳から49歳までに出産する子供の数の平均」です。
(吉田ハンチング@dcp)