韓国メディアでは、『現代自動車』の2021年の自動車販売台数が3.9%伸びたと報じています。
2020年のコロナ禍から立ち直り、業績が回復したように見えます。
また、例えば日本の『日本経済新聞』では「現代自動車G 、21年の世界販売台数666万台 前年比5%増」というタイトルの記事が出ています。
しかし、これは「G」が付いていることからも分かるとおり、『現代自動車』グループの実績で、つまり『起亜自動車』を含んだ結果です。
では、『現代自動車』の業績はどのように回復したのでしょうか。以下をご覧ください。2017~2021年の韓国内、海外での販売台数の推移です。
『現代自動車』の自動車販売台数は2018年の「459万台」をピークに右肩が下がっています。コロナ禍に襲われた2020年には「375万台」まで下がり、2021年には「389万台」(正確には「389万981台」)まで回復。
これが上記「3.9%」の上昇です。つまり、2020年はどん底までいったので、そこから約4%戻したに過ぎないのです。
つまり、韓国メディアでよく使われますが、「基底効果」(過去の特異点と比べるので経済指標が膨らんだりよく見えたりする現象)というやつです。
しかも、2021年の初頭には「目標販売台数:416万台」としていたのに、結果は「389万台」でした。目標から「6.5%」も下振れしたのです。
これで2年続けて400万台を割ったことになります。
『現代自動車』が業績を回復した、というのは基底効果があってのことで、決して鵜呑みにはできません。
『現代自動車』は2022年の販売目標を「432万3,000台」としています。これは2021年の販売実績より「11.1%」多い数字です。
焦点は「半導体不足」です。需要は高い状態を保っていますので、車載用半導体不足が早期に解消されれば、販売台数を伸ばすことができるでしょう。
『現代自動車』の弱体化が進む1年になるのか、それとも挽回するのか、2022年の『現代自動車』にご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)