韓国の大統領室、外交部の不手際のせいで、イギリス・エリザベス女王国葬参加に始まる「尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の外遊」は「外交惨事」という評価になっています。
中でも、米韓首脳会談、日米首脳会談では屈辱を味わったとして、野党議員などは口を極めてののしっています。
しかし、大統領室では「一定の成果があった」と強弁。中でも、強弁の度が強いのは、バイデン大統領に韓国の課題である「インフレ削減法の修正要求」「米韓通貨スワップの締結要求」を行えた、と言い張っていることです。
事実としては、合衆国NYでバイデン大統領と尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領がニアミスをしたのは3回。3回目の遭遇では48秒の立ち話でした。
Money1では50秒と書いたのですが、現在の韓国メディアでは2秒縮まって「48秒」というのが定説になっています。
ニアミスした3回を合計しても、バイデン大統領と尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が会話を交わしたのは「148秒しかない」と韓国メディアは計算しています。
そんな短時間で本当にこのややこしい2件を話せたのか?です。これについては誰もが疑問に思うでしょう。また、このような短い、いわば立ち話を会談などと呼べますか?――です。
――で、外交部の定例ブリーフィングで本件をどストレートにぶつけた記者がいるのです。
外交部のプレスリリースから以下に該当部分を引用してみます。
(前略)
<質問>
今回ユン大統領とバイデンアメリカ大統領が対話を交わした時間は148秒しかないということですが。このように短い会話の場合でも、外交的に公式な定義ができるような意味のある出会いなのか、説明をお願いいたします。(『MBC』ソ・ヘヨン記者)
<回答>
すでに述べたように、両首脳はロンドンでだけでなく、ニューヨークのレセプションとバイデン大統領が主催したレセプション、グローバルファンド会議をきっかけにして会いました。<質問>
その出会いを外交的にどんな用語で定義して、その出会いにどんな意味を与えることができるでしょうか。(『MBC』ソ・ヘヨン記者)<回答>
両国首脳は3回も会い、それを通じて十分に相互の関心事について意見交換を行いました。特に、先ほど申し上げましたが、イギリスのエリザベス女王の葬儀という突然の日程にもかかわらず、両国首脳がこれをきっかけに会ったということ自体が意味があると思います。
また、それを契機に短い期間でしたが、両国間の主な関心事、懸案について十分な意見交換が行われました。
(後略)
「148秒会話を交わしたことを外交用語でなんと言うのか?」という厳しい突っ込みに対して、報道官はなんとも答えていません。とても「首脳会談」などと呼べるものではないからです。
また、最後まで「お互いの関心事について十分な意見交換を行った」と強弁しています。こういうことをしれっと言えなければ韓国の報道官は務まらないのかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)