読者の皆さまもすでにご存じでしょう。
日本の福島処理水放出に端を発し、中国では塩の買い占めが起こっています。
韓国でも似たことが起こり、Money1でも「4日で14トン」もの塩を盗んて摘発された泥棒の件をご紹介しました。
韓国の塩泥棒。4日で14トンの塩を盗む
韓国では世にもあほらしい事態が起こっています。福島処理水が放出されると塩田などで生産される塩が汚染されるとして買い占めが発生。塩の価格が高騰しました。どのくらい上がっているかというと……オンラインショップ『ロッテONモール』の価格を見ると以...
中国で塩の買い占めが起こるのは今に始まったことではありません。
『中国嫁日記』4巻で、著者の井上純一先生は「中国人はなぜか有事には塩をたくさん買う」と指摘していらっしゃいます(以下のURLで読むことができます)。
中国では、なにかが起こるたびに…… : 中国嫁日記 Powered by ライブドアブログ
すごく大切なものだってコトは分かる 18日現在、K水は中国東莞に行ってしまいました。 そんなに酷いことにはならないと思いますが…… →→→明日の更新に続く!
漫画内で、奥さんの月は「なんでいつも塩買いマスカ もーバカバカしいデス」と発言していらっしゃるので、「なぜ有事に塩を買うのか」は中国の皆さんにとっても「分からない」のかもしれません。
福島処理水の放出によって海洋が汚染され「天日塩」が利用できなくなる――と考えているのだとしたら、それは大きな間違いです。
というのは、中国の場合にはほとんどの塩は海洋由来ではないからです。
中国には『中国塩業総公司』(中国盐业总公司)という、世界最大規模「年間1,000万トン以上の製塩能力」を持つ企業があります。
同社のデータによると、
・鉱塩:95%
・湖塩:4%
・海塩:1%
・湖塩:4%
・海塩:1%
です。そのため、そもそも「海が汚染される前に塩を買っておこう」という動機であれば、福島処理水で塩を買い占める意味がありません。
ただ、「塩に含まれるヨウ素が放射線を防いでくれる」というウワサが中国の皆さんを塩買いに走らせているのだ――という指摘もあります。塩をたくさん摂取するのは体によくないと思われるのですが。
ともあれ、「なぜか有事には塩の買い占めが起こる」というのは、中国の特徴といえるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)