中国側の「日中首脳会談の評価」とは?

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2022年11月16日(現地時間)、APEC会議を期に日中首脳会談が行われました。


↑岸田文雄はうれしそうな顔をしていますが、習近平さんは……(いつもよりはちょっとマシ)。

中国の外交部が今回の日中首脳会議についてのプレスリリースを出しました。以下に全文和訳を掲載します。

現地時間11月16日午後、習近平国家主席は日本の岸田文雄首相とサンフランシスコで会談した。

両首脳は、日中4カ国政治文書の原則とコンセンサスの堅持を再確認し、戦略的互恵関係の全面的な推進における両国関係の位置付けを再確認し、新時代の要求に合致した建設的で安定した日中関係の構築に尽力した。

習主席は、今年は中日平和友好条約締結45周年に当たり、両国の平和、友好、協力の全般的な方向性を法的に確立し、両国関係史の一里塚となったと指摘した。

条約を含む日中の4つの政治文書の指導の下、過去45年間、両国関係は浮き沈みがあったものの、全般的に発展の勢いを維持し、両国国民に利益をもたらし、地域の平和、発展、繁栄の促進に積極的な役割を果たした。また、地域の平和、発展、繁栄の促進に積極的な役割を果たしてきた。

国際情勢が変化と挑戦に見舞われている現在、日中両国の平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展は両国民の根本的利益である。

現在、日中関係は過去を引き継ぎ、未来を切り開く重要な時期にあり、双方は「歴史に学び、未来を切り開く」精神に基づき、時代の流れに従い、正しい方向を把握し、国交正常化の初心を堅持し、互いの発展を客観的かつ理性的に見つめ、前向きで友好的な認識を打ち立て、矛盾や相違を建設的に処理し、「相互パートナー、互恵協力、共同発展」を将来の重要な原則とすべきである。

「互いをパートナーとして扱い、互いに脅威を与えない」という政治的コンセンサスは、具体的な政策と実際の行動に反映されるべきである。

習主席は、歴史、台湾、その他の主要な原則問題は両国関係の政治的基礎に関わるものであり、日本側は日中関係の基礎を傷つけたり揺るがしたりしないよう、信義を守らなければならないと強調した。

日中両国の経済利益と産業チェーンのサプライチェーンは深く絡み合っており、誰の利益にもならない「小庭高壁」「断絶連鎖」に関与する。

中国は質の高い発展とハイレベルな対外開放を推進しており、日本を含む世界のすべての国に未曾有のチャンスをもたらすだろう。

双方は協力と相互成果を深め、世界の自由貿易体制を効果的に守り、より高いレベルの互恵とWin-Winを実現すべきである。

両国は、より高い地位とより広い視野を基礎とし、平和、協力、包摂、統合を中心とするアジアの価値を継承し、真の多国間主義を実践し、開かれた地域主義を推進し、地域統合プロセスを推し進め、グローバルな課題に共同で取り組むべきである。

習主席は「日本の福島原発からの汚染水排出は、全人類の健康、世界の海洋環境、国際的な公益に関わるものであると指摘した。

日本側は、国内外の妥当な懸念を真摯に受け止め、責任ある建設的な方法で適切に対処すべきだ」と述べた。

岸田文雄首相は、日中平和友好条約締結45周年という重要な節目に当たり、日中両国国民は、幅広い分野における日中友好関係の発展を促進するために、両国の古い世代の指導者たちが行ってきた努力を深く思い起こすと述べた。

国際社会が歴史的な転換点を迎えている今、日本は未来に目を向け、中国とのハイレベルの意思疎通と対話を強化し、両国関係にプラスの要素を増やし、平和共存を堅持することを望んでいる。

日本は中国から「離反」するつもりはなく、引き続き人的交流や文化交流を促進し、デジタル経済、グリーン開発、金融・財政、医療・高齢者介護など各分野での実務協力を深めていきたい。

日本側は引き続き平和的発展の道を歩み、台湾問題に関する日中共同宣言の立場を変わることなく堅持する。

双方は、新たに設立された中日輸出管理対話メカニズムを積極的に評価し、あらゆるレベルでの対話と意思疎通を維持し、適切な時期に新たな日中ハイレベル経済対話及び中日高級実務者交流協議メカニズムを開催し、国際・地域問題に関する意思疎通と協調を維持し、気候変動等のグローバルな課題に共同で対処することで合意した。

双方は、建設的な方法による協議と交渉を通じて、福島原子力発電所の汚染水(原文ママ:引用者注)排出問題を解決するための適切な方法を見出すことに合意した。

双方はまた、共通の関心事である国際問題や地域問題についても意見を交換した。

会談には蔡奇と王毅が出席した。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「习近平会见日本首相岸田文雄」

岸田首相がどこまで突っ込んで話をしたのかは不明ですが、習近平さんとの会談でも「のれんに腕押し」であったことが分かります。

↑岸田首相の発言について報じるYouTube『ANNnewsCH』チャンネル「日中首脳会談 予定の1時間超え 岸田総理“水産物禁輸撤廃”求める」

習近平さんは「相互パートナー、互恵協力、共同発展」を将来の重要な原則とすべきである」という、まるで日本に説教を垂れるような姿勢を貫いています。これは中国のぶれない姿勢で「日本は中国の言うことを聞け」に他なりません。

中国側の言う「互恵」「Win-Win」は「中国が利益を得られるように努力すべき」ですので、基本的に話し合っても無駄なのです。

実際、福島処理水の問題についても「日本側は、国内外の妥当な懸念を真摯に受け止め、責任ある建設的な方法で適切に対処すべきだ」としか述べていません。科学的な話もできない相手なのです。今回は、習近平さん自身の発言ですから確実です。

「福島原子力発電所の汚染水(原文ママ)排出問題を解決するための適切な方法を見出すことに合意」となっていますが、どんな「適切な解決方法」が提起されるのか、必見といえます。

日本は中国の脅迫・脅威から自らを守る力をつけ、粛々と中国の封じ込めに努力すべきでしょう。

(吉田ハンチング@dcp)

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