外国から中国への直接投資が激減している点については先にご紹介しました。
これは中国という国が全く信用できないと投資家が判断したためです。法の上に中国共産党が君臨し、習近平さんという独裁者を戴いているので、何をされるのか分かりません。
そもそも資金移動の自由もない国なので、習近平がいかに「さらなる開放」を叫んで、「今が中国に投資するチャンス」などと大嘘を述べたところで、信じるようなばかはいないのです。
外国が中国への投資を減らしているのですが、逆に「中国から外国への直接投資」も実は減少しています。
中国の国際収支統計のデータが公表されている1998年第1四半期から2024年第1四半期までの「中国から外国への直接投資※」の推移を見てみましょう。
※国際収支統計「金融収支」の直接投・資資産の部に計上されています。注意していただきたいのは中国当医局が公開している直接投資の資産の部はマイナス符号になっています。
中国は、外国への直接投資金額は右肩上がりを続けてきましたが、直近はギザギザで上下しています。ちょっと分かりにくいので、同じ第1四半期でコロナ前の2019~2024年の推移を見ると以下のようになります。
コロナ禍を抜けて中国がこれから回復するぞという期待が高まった2022年第1四半期には、「外国 ⇒ 中国」だけではなく、「中国 ⇒ 外国」の直接投資も「584億ドル」ありました(正確にはその分対外資産を増やした)。
ところが2年経って、2024年第1四半期にはこれが「379億ドル」まで減少しています。35.0%減少です。
注目していただきたいのは、これは中国にとってはキャッシュアウトになることです。
先にご紹介したとおり、中国への直接投資は9割も減少していますが、これは中国にとってはキャッシュインが激減していることを意味しています。
つまり、キャッシュアウトを絞って、キャッシュインが激減している――というのが中国の現状なのです。
(吉田ハンチング@dcp)