もう無茶苦茶。『中国人民銀行』中国企業に「自社株買いで株価を支えろ」と指示

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公開された文書では推奨となっていますが、これは指令です。

国慶節の連休明けで中国株式市場が暴落し、個人投資家の皆さんが阿鼻叫喚の地獄絵図になりました。

上掲が2024年10月18日(金)の上海市場ですが、18日は少しだけ株価が戻りました。

土日は休場ですから、最後の金曜日は頑張ったようです。

大打撃を受けた個人投資家から怨嗟の声が上がっているので、中国共産党当局は自身への批判とならないように手を打たなければなりません。『中国人民銀行』が動きました。

同日、『中国人民銀行』は、金融監督総局および中国証券監督管理委員会と共同で以下のような文書を出しました。

冒頭でネタを割ってしまいますが、これは上場企業に対して「自社株買い」「買い増し」をせよ――という推奨文書です。しかもその自社株買いに使う資金は、金融機関から借りろ――といっています。

以下が文書の全文和訳ですが、面倒くさい方は次の小見出しまで飛ばしていただいても大丈夫です。

中国人民銀行、自社株買いと株式の買い増し、再貸付を支援するファシリティーを設立し、資本市場の安定を支援
出典:溝通交流
発表日時:2024年10月18日 10:33:30

政策の目的と背景
中国共産党の第20期三中全会で打ち出された「資本市場の内在的安定性を強化する長期的メカニズムの構築」という方針に基づき、資本市場の安定運営を維持し、市場の信頼回復と経済の回復基調を支えることが目指されています。

その一環として、中国人民銀行は金融監管総局および**中国証券監督管理委員会(証監会)**と共同で、「自社株買い、株式の買い増し、および再貸付に関するファシリティー設立の通知」を発表した。

政策の概要
この政策では、金融機関が対象となる上場企業やその主要株主に対し、自社株買いや株式の買い増しを支援するための融資を提供することを奨励し、資本市場の安定を促進する。

再貸付の初期融資枠
総額:3,000億元
金利:年1.75%
期間:1年(状況に応じて延長可能)

対象企業と貸付実施機関
すべての所有形態の上場企業が対象。
国家開発銀行、政策銀行、国有商業銀行、中国郵政貯蓄銀行、株式制商業銀行など、21の全国的な金融機関が貸付を実施。

貸付条件と管理
21の金融機関は自主的に融資の実施を判断し、貸付条件を合理的に設定する。
リスクは各金融機関が自己負担。
貸出金利の上限:年2.25%

融資資金の使用
貸付資金は「専用目的」で使用され、自社株買いおよび株式の買い増し以外の用途には使えない。

資金の流れは閉鎖的に管理される。

規制の特例措置
一部の融資は「信貸資金の株式市場流入禁止」という規制の適用を免除される。
ただし、免除対象外の資金については、従来の規制を厳守する必要がある。

再貸付の申請プロセス
再貸付は四半期ごとに実施される。

金融機関は対象企業や主要株主への融資を実施した後、翌四半期の初月に中国人民銀行に対して再貸付を申請する。
『中国人民銀行』は、**融資額の100%**を金融機関に再貸付する。

⇒参照・引用元:『中国人民銀行』公式サイト「中国人民银行设立股票回购增持再贷款 支持维护资本市场稳定运行」

「上場企業は株価が下がらないようにしろ!」という指令だ

中国当局が何を企図しているかは露骨なほどです。

つまり、上場企業に借金をさせて自社株を買わせ、株価が下がらないようにしろ――という指示です。

「上がるぞ、上がるぞ」という餌で個人投資家を釣って狙いどおり株価を暴騰させましたが、連休明けたら暴落したので、今度は企業に資金を投入させようというのです。借金を背負わせて。

よくまあこんな姑息なプランを思いつくものです。さすが「人民などどうなろうが知ったことか」の中国共産党です。

(吉田ハンチング@dcp)

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