2016年10月18日、フィデリティ投信の主催する「『金融教育』で若年層と資産運用をつなぐ、米国フィデリティの取り組み」というラウンドテーブルが開催されました。アメリカでは「ミレニアル世代」(2000年以降に成人を迎える世代を指します)が、7900万人を超える人口となっています。
このミレニアル世代は、2025年までにアメリカの労働人口の50%に達し、2020年までにその金融資産は8.3兆ドルに達すると予測されています。つまり、投資の世界から見れば彼らがどのように自分の資産を運用するかは一大注目ポイントというわけです。
今回のラウンドテーブルで配布された資料の中から興味深いレポートを挙げてみましょう。
■アメリカ人のお金に関する状況
●63%の人が経済的な余裕が全くない生活を送っている。
●50%の人が緊急用の備えとして1,000ドルを保有しているか定かではない。※1
●47%のミレニアル世代の人が、退職に向けた資産形成を始めていると回答。
●年収10万ドル以上の収入の1/3が、常にクレジットカードの負債を抱えており、22%の人がその返済に苦しんでいる。※2
●33%のミレニアル世代の人が自分のお金に関する信頼できる相談相手として両親を挙げ、相談できる人は誰もいない、という人がこれに続く。
●25%の人が自分のお金に関する用事のために仕事を休んだことがある。※3
データ出典
※1PWC 従業員ファイナンシャル・ウェルネス調査(2015年4月)
※2ステート・ストリート・グルーバル・アドバイザーズ 半期DC投資家調査(2015年3月)
※3ステート・ストリート・グルーバル・アドバイザーズ 半期DC投資家調査(2015年3月)
アメリカは貧富の格差が大きい国だといわれますが、「63%の人が経済的な余裕が全くない生活を送っている」というのはかなり衝撃的なレポートではないでしょうか? リーマンショック、サブプライムローンの危機によって多くの人が資産を失い、中産階級が厚み失ったといわれます。日本も他人事でありません。
フィデリティでは、上記のような状況を踏まえてミレニアル世代の金融リテラシーのための教育サイトを運営しています。日本人の金融リテラシーを考える当サイトとしては非常に興味深い取り組みであるように思えました。
⇒フィデリティの「MyMoney at Your College」
https://www.fidelity.com/go/MyMoney-at-your-college
(高橋モータース@dcp)