韓国の詭弁「通貨スワップは日本にもメリットがある」

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韓国の極左メディア『ハンギョレ(日本語版)』に「通貨スワップ」についての記事が出ています。

「日本にとってなんの意味もない」「ただ韓国を助けてやるためだけのものだ」という正しい指摘に一矢報いたかったのでしょう。

記事から一部を以下に引用します。

(前略)
ドルスワップ形態の契約を結んだ日本の立場としての背景には、円の切り下げ状況がある。

円は現在1ドル145円水準であり、今年最大の円安を記録している。

韓国ウォンと円の裁定為替レートも最近、100円=900ウォン台を一時割ったほど大きく下落している。

このため、日本銀行は為替レートの安定に努めてきた。

日本の財務省は昨年、外国為替市場に史上最大規模で介入して為替安定化を誘導し、現在日本の財務相は「過度な円安の動きには適切な措置を取る」という口頭介入にも乗り出している。

ドルスワップは、こうした状況で日本が円相場の安定を誘導できる一つの保険になりうる。

日本が韓国に円を貸してドルを受け取ることになれば、日本国内のドル供給が多くなるとともに円供給が減り、円安傾向が制御されるためだ。

もちろん、今年6月に集計された日本の外貨準備高は1,254兆ドルと十分な水準であり、経常収支も黒字を記録しているため、短期的にはスワップ契約を履行する可能性は低い。

ただ、外国為替市場が極端なストレスを受ける場合、ドルスワップは円防御のための保険になりうる。
(後略)

⇒参照・引用元:『ハンギョレ(日本語版)』「8年ぶりの韓日通貨スワップ…ドルで結ばれた理由は=韓国」

円安が進行しているので、韓国との通貨スワップを発動して韓国からドルを受け取れば、円安阻止に役立つなどという、「今、思いつきました」みたいな話をしています。

この記事の筆者が自分で書いていらっしゃいますが、日本の外貨準備は「1,254兆ドルもあるのです。

日本国外務省によれば2023年05月時点で「1兆2,545億2,200万ドル」

ちなみに韓国の外貨準備高は「4,210億ドル」(2023年05月時点:『韓国銀行』の公表による)です。

日本が円安を止めようとして為替介入(ドル売り円買い)を行う場面があっても、なぜ韓国に頼る必要があるのでしょうか。

上掲のとおり、そもそも韓国には日本が困ったときに供給できるような十分なドルはありません。『韓国銀行』によれば、同じく05月時点で現金たるDeposits(預金)は「178億ドル」しかないのです。

日本が韓国のように通貨危機に陥ることなどあり得ません。また、日本が通貨危機に陥るような世界的状況なら、先に韓国の方が通貨危機になっているはずです。

ですから、日本が欲しいと思うドルの量など韓国が出せるわけないのです。

この記事はドル建てになったのは、「日本だって望んでいるからだ」と主張したいのでしょうが、ウソをつくのもいい加減にしろ!です。

持っている外貨資産の量からいって、日本が韓国のようなチンケな経済危機に陥るわけはなく、世界情勢で経済危機になるなら韓国の方が先です。

そもそも中央銀行間の通貨スワップ(Bilateral Currency Swap Agreement)は、自国間通貨を交換する協定です。なぜ、日本と韓国の今回の協定が「ドル建て」になったのかといえば――岸田文雄が韓国を甘やかして「ドルを供給してあげよう」と韓国の要求を叶えたからに他なりません。

このドル建てという点でも、日本にとって全く益のないことです。日本円なら印刷できますがドルはできません。なぜ、韓国にわざわざドルを用立ててやる必要があるのでしょうか。

同記事は、なんとか「日本と韓国は対等だ」と主張したいがための記事であり、詭弁です。

記事の後半部分では、円キャリートレードについて書いているのですが、「『FOMC』であと2回、金利が上がると予測されており、それでさらに円安が進む」と述べています。

日本に警告を与えたつもりかもしれませんが、これもまた大笑いです。

アメリカ合衆国が政策金利を上げる中、普通ならついていかないといけない韓国は「基準金利を上げられない」でいます。

「上げられない理由」は、Money1でも何度もご紹介してきたとおり、追随して金利を上げると、家計負債、企業負債の時限爆弾が破裂する可能性があり、また民間の資金調達に困難を来すことが目に見えているからです。

合衆国が政策金利をあと2回上げて、韓国が上げられなかった場合、資金流出が加速するかもしれないのです。なぜなら、お金はより増える方に動くからです。

投資家が「韓国なんかより、やっぱり合衆国(日本でも可)だ!」となって、急速に資金を引き上げたらどうなるでしょうか。

資金流出が加速すれば、当然韓国からお金が出ていくときに「ウォン売りドル買い」が奔流となって、ウォン安が急進するでしょう。

さっそく日韓通貨スワップを使うことになりはしませんか。

最後に付言するなら、円キャリードレードが流行した後のことを考えるべきです。

先に円キャリートレードの巻き戻しが起こった際、韓国に何が起こったでしょうか?

「韓国通貨危機」です。

調子に乗って、お金を借り倒していたら償還できなくなったのです。これについては、以前Money1でもご紹介していますので以下の記事を参照してください。

韓国を通貨危機に追い込んだ負のサイクル
韓国は貿易のもうけが減少してくると危険です。減少が赤字になるとホンイキで危なくなります。貿易赤字(貿易収支の赤字)が経常収支の赤字に発展し、これが継続するといよいよいけません。先の記事で韓国が通貨危機前にどのような状況だったのかをご紹介しま...

三橋貴明先生が予測されたとおり韓国は危機に落ち込み、合衆国、日本によって救われました。

韓国の現状を見てください。

貿易収支赤字から経常収支赤字化傾向と、韓国通貨危機前にそっくりな状況になってきています。

そこに円キャリートレードですって? 2008~2009年にどうなったのか忘れてはいないですかね。

(吉田ハンチング@dcp)

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