そもそも第3四半期に反騰するという話だったじゃないか――です。
2022年の下半期から半導体価格の低迷に見舞われた韓国『サムスン電子』は業績が低迷しています。Money1でも先にご紹介したとおり、2023年上半期は以下のように締まりました。
2023年第2四半期
総売上:60兆55億ウォン(-22.28%)
営業利益:6,685億ウォン(-95.26%)
当期純利益:1兆7,236億ウォン(-84.47%)2023年累計(上半期)
総売上:123兆7,509億ウォン(-20.15%)
営業利益:1兆3,087億ウォン(-95.36%)
当期純利益:3兆2,982億ウォン(-85.29%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト
営業利益は対前年同期比で約95%が飛んでいます。
中でも半導体を担当するDS事業は「上期計:-8兆9,400億ウォン」という巨額赤字になりました。
2023年第1四半期には「第3四半期に反騰だ」という話でした。
ところが、市場のコンセンサスでは――第3四半期までの累計で『サムスン電子』の第3四半期までの累計赤字は10兆ウォンを上回っているだろう――と推算されています。
『サムスン電子』は『SKハイニックス』と違って半導体一本槍ではありませんので、他の事業が半導体で掘った赤字を補填できるでしょうが、にしてもどこまで黒字を積めるのかは不明です。
第3四半期はすでに終わったので、メディアでは「第4四半期には業績は反騰するだろう」という記事が出始めました。
「本当に?」なのですが、例えば『亜洲経済』は以下のように書いています。
(前略)
ただ、第4四半期からは主要メモリー半導体価格が上昇し、赤字規模が大幅に減る見通しだ。市場調査会社の『ガートナー』も今年第4四半期からDRAM価格が第3四半期対比で17.8%上昇すると予想した。
固定取引価格の先行指標である現物価格も反騰している。
09月21日、市場調査会社の『DRAMエクスチェンジ』によると、前日基準でPC用DRAM汎用製品であるDDR4 8ギガビット(Gb)の現物価格は今月に入って上昇傾向を記録し、1.49ドルに進入した。
DDR5 16Gb製品も0.42%上昇した4.1ドルを記録した。
また、サムスン電子は4四半期から『NVIDIA』に高帯域幅メモリー「HBM3」を納品する見通しだ。
(中略)
半導体業界の関係者は「今年末にDRAMとNAND在庫は頂点に達した第2四半期対比で50~60%減少し、正常水準に接近する展望」とし、「今年第4四半期から『サムスン電子』は3兆ウォン規模の累積メモリー在庫評価損失還入で、今後実績が上方修正される展望」と分析した。
⇒参照・引用元:『亜洲経済』「3四半期まで10兆ウォンの赤字が累積したサムスン電子半導体部門、4四半期には反騰できるか」
在庫の圧縮と評価損の縮小は確かに業績回復につながるでしょうが、どこまで戻せるのかは、ふたを開けてみないと分かりません。すでに第4四半期に突入しており、2023年も残り3カ月を切りました。
まずは第3四半期の業績です。10月25日過ぎには第一報が公示されるはずです。ぜひご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)