「アジア四小龍」という言葉があって、これは、
・台湾
・韓国
・シンガポール
・香港
のことで、「四虎」と呼ばれたりもしました。この4カ国(と地域)は、年7%を超える異例の高成長率を維持し、1960年初頭から1990年代まで急速な工業化を達成しました。
この言葉が使われだしたときは、日本がアジア唯一の「大きな龍」で、そのため小龍と呼ばれました。ブルース・リーがあれほど凄くて「小龍」ですから、小龍でも大したものです。
この4カ国は「龍」にふさわしく、現在世界経済でも大きな影響力を持つようになっています。
しかし、2023年現在「人口減少」が懸念されています。4カ国(と地域)の合計特殊出生率を見てみましょう。
台湾:0.87
韓国:0.78
シンガポール:1.05
香港:0.8
※合計特殊出生率は「女性一人が15歳から49歳までに出産する子供の数の平均」です。この数字が2.2ないと人口は増えていかないといわれます。
日本も決して他人事ではありませんが、この四小龍は日本の「1.26」よりも低いのです。特に韓国の「0.78」は何度もご紹介しているとおり世界最低で、そのため「最も早く人口減少によって消滅する国」といわれています。
中国は最新データで「1.09」ですから衰勢は明らかです。先にご紹介したとおり、アジアは急速に老いていくのです。
韓国に匹敵する「香港」の「0.8」も大問題です。
2023年10月25日、香港政府が施政方針演説を行う予定ですが、少子化傾向があまりにひどいので「新生児1人当たり親に2万香港ドル(約19万1,500円)を配布する計画」を明らかにするとのこと。
Money1でも何度もご紹介しているとおり、韓国も少子化対策に取り組んでいるのですが、全く効果はありませんでした。(統計・識者の発言によって異なりますが)これまでに「16年間で280兆ウォン(約28兆円)を少子化対策に突っ込んだ」(2022年時点)のですが無駄だったのです。
香港政府も「お金を出します」となっていますが、恐らく効果はないでしょう。
何より、中国共産党の支配が進んでおり、自由がなくなって先行きが暗いですから、「ここで子供を生み、育てたい」と思う思うお母さんが増えるかどうかが疑問です。
あの自由闊達だった香港は、人口減少によっても消滅するのかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)