2023年11月09日、韓国の企画財政部が「月刊財政動向11月号」を公表しましたが、状況はさらに悪化しました。
まず、以下をご覧ください。
2023年01~09月累計
収入:436.3兆ウォン
支出:467.5兆ウォン統合財政収支:-31.2兆ウォン
管理財政収支:-70.8兆ウォン※統合財政収支は単純に「収入 – 支出」、管理財政収支は国民年金の収支なども足し込んだもの
そもそも2023年度の本予算は、統合財政収支、管理財政収支共に赤字でしたので、黒赤は問題ではないのですが(程度は問題です)、対前年同期比で収入がさらに悪い方向になっています。
Money1でもご紹介してきたとおり、「国税収入が全然足りないぞ!」と大問題となり、企画財政部が再推計した結果、「59兆1,000億ウォン」ショートする――としました(以下の先記事)。
ところが、上掲のとおり09月までの収入は「436.3兆ウォン」で、対前年同期比で「-69.7兆ウォン」となっています。
つまり、通年で約60兆ウォンショートのはずが、09月時点で約70兆ウォンもショートしているのです。
また、単純に「収入 – 支出」である統合財政収支は、通年「-13.1兆ウォン」の予算であったのに09月時点で「-31.2兆ウォン」と、すでに予算を通り越して赤字です。
管理財政収支の方も「21.2兆ウォン」余計に赤字を積んで「-70.6兆ウォン」となっています。
次に上掲の政府負債です。
中央政府債務の残高は、当月「1,099.6兆ウォン」。
「とうとう1,100兆ウォンを突破!」とご紹介した前月の「1,110.0兆ウォン」よりは減りましたが、「1,100兆ウォン」水準という点では大差ありません。
企画財政部は、2023年11月17日に『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)との協議の結果を公表していますが、
「’24年政府の予算案と財政準則の導入など、政府の財政正常化に向けた努力をポジティブに評価し、財政健全性を確保するために努力を持続すべきと助言した。特に財政準則については管理指標、制限背中適切に設定することが、急激な高齢化など韓国長期的な課題に対応して財政を管理する助けなるだろうと述べた」
と書いています。『IMF』からは努力が評価されたという書き様ですが、努力を継続せよというのは「このままだとイカンよ」といっているのと同義です。
そろそろ2023年がどのように決着するのか見えてきましたが、韓国政府の財政は火の車です。
(吉田ハンチング@dcp)