引っ越しシーズンなので「家賃」の話です。賃貸物件に住んでいると家賃の高低は気になりますよね。賃貸物件を探す際には「駅近」を条件にする人が多いようです。
「駅から徒歩○分」という目安で、駅近物件ですと「徒歩5分以内」ぐらいではないでしょうか。その「徒歩○分」で、5分ごとに遠ざかるとどれくらい家賃は安くなるのでしょうか? 中堅不動産ディベロッパーの営業マンに聞いてみました。どれくらい家賃が変わるのか聞いてみました。
――筆者の住んでいる地域(東京都練馬区練馬駅近辺)だと徒歩5分と徒歩10分では10,000円ほど家賃が変わるのですが、他の地域もだいたいこんなものなのでしょうか?
営業マン そうですね、エリアにもよりますが、概ねそのくらいの差があります。徒歩10分を超える物件だとそれ以上に大きく下がります。また、ワンルームの物件だと徒歩5分と徒歩10分では3分の1近く値段が違ったりもしますよ。
――同じような間取り・設備のワンルームだとしても、徒歩5分なら60,000円、徒歩10分を超えると40,000円程度になるんですか……。この20,000円はデカイですよね。
営業マン ファミリー向けの物件はそこまで大きく下がりませんが、ワンルームの物件は特に値段が下がりますよ。
――ワンルームが特別安くなる理由は何ですか?
営業マン 基本的に、単身者の方は駅にできるだけ近い物件を選びますから、駅から遠いワンルームというのは家賃が下がりやすいんです。ワンルームの物件総数も多いですからね。
――確かに一人暮らしだとわざわざ駅から遠い物件に住まないですもんね。
営業マン そうなんです。ファミリー層には、駅から少し遠くても、近くに公園があったり、静かな住宅街だったりする方がいいという方が多いので、駅から多少遠い物件でも借りようと考える方はいらっしゃいますが、単身者だとそういう人はまずいませんからね。また、駅から近いファミリー向けの物件は賃料も高くなるので借り手が見つかりにくくなるのです。
――設備はいいけど徒歩15分か、設備はまずまずだけど徒歩5分だったら、やっぱり近い方を選びますよね。長い目で見るとやっぱり遠いのは負担になります。
営業マン なので駅から遠い物件は設備がよくても「値段」でしか勝負できないんです。「遠いけどこれだけ安いのならいいか」と思ってもらえる家賃に設定しないと借りてもらえませんので。安くして「ヒキ」を作らないといけませんから、遠い物件はどんどん安くなってしまうんですね。
「時は金なり」とよく言ったもので、10分~15分の時間が20,000~30,000円という大きな金額の差になっていくのですね。時間を優先するかお金を優先するか、物件探しの永遠の悩み、ですよね。
(中田ボンベ@dcp)