2020年01月31日(金)、通貨安がどこまで進行するのかと注目された韓国通貨「ウォン」ですが、結局以下のように締まりました(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
終値「1ドル=1,195.86ウォン」で、2019年12月初旬の高値を実体線で超えました。
ローソク足1本が1週間の値動きを示す「週足」で見ると以下のようになります。
週足でも先にご紹介した「三角持ち合いのブレイク」を達成しました。「三角持ち合いが崩されるときは往々にして大きな値動きになる」を地でいく大きな陽線(チャート上で上昇するローソク足のこと)ですが、この01月第5週は始値-終値で実に「25.74ウォン」もウォン安が進行したのです。
「1ドル=1,196ウォン」にあるウォン安が止まりやすいライン
問題はこの先ですが、注目していただきたいのは31日の終値「1,195.98ウォン」です。
2019年に作った直近高値圏。上ヒゲになってはいますが、そのテッペン(高値)は「1,196.41ウォン」と「1,195.78ウォン」で、31日の終値「1,195.98ウォン」とほぼ値がそろっており、ここに水平線が引けます。
つまりこのおよそ「1,196ウォン」というラインは、ここでウォン安進行が止まりやすいラインであるわけです。
先の「ワロス曲線の出現か?」という記事の中で「そんな中途半端なところでは止まらないだろう」と書きましたのはこのラインを意識していたためです。
もし本当に韓国通貨当局が為替介入を実施しており、ワロス曲線だったとしても「1ドル=1,195ウォン」で止めようとするのは難しいポイントでしたし、実際に止まりませんでした。やはり「ファンダメンタルで動いてもテクニカルで止まる」のです。
不思議なことにチャートというのは止まるべきところで止まるようになっています(必然だとすれば不思議ではないのでおかしい表現ですが)。
株式やFXの取引をされる方ならご存じのことですが、もちろんヒゲでその値に達するのと実体線で達するのには大きな違いがあります。チャート上の意味も違います。ただ、「止められやすい値」まですでに達していることは事実です。
次に目指すのは「1ドル=1,203ウォン」
ウォン安トレンドがこの先も続くのであれば、次のターゲットは「1ドル=1,202-1,203ウォン」です。これは上掲のとおり2019年09月の第3・4週に作った(週足の)実体線での高値です。これを抜くことが目標になります。
2019年09月第3・4週の最高値、直近の最安値に注目して「フィボナッチ・リトレースメント」を当ててみると以下のようになります。
天井から天底まで値が下がって、その「78.6%」まで戻していることが分かります。この78.6%が実は「1,196ウォン」ぴったりなのです。
02月の相場が02月06日から始まりますが、さてここを超えていくことができるでしょうか? 韓国通貨当局も値動きを注視しているでしょう。ワロス曲線の出現にも期待したいところです。
追記
2020年02月03日(月)、中国市場が再開し、韓国の通貨「ウォン」「KOSPI」共にもみ合いの状況となりました。同日10:50現在(日本時間)の様子を以下の記事にまとめました。もしよろしければ併せてご覧下さいませ。何卒よろしくお願いいたします。
(柏ケミカル@dcp)