不思議な現象が生じています。
友達のいない寂しん坊同士の連帯というヤツで、中国–ロシアの仲は深まっています。
このこと自体が大笑いですが、ロシアが中国から輸入している品目に、突然高率の関税を科したというので、中国人がブーブー言っている――という情報が出ています。
モノは何かというと「家具の部品」です。
この時点で誰もが「なぜ?」と思うのですが――、
『ロシア家具・木材加工企業協会』(AMDPR)は、ロシア税関(正確にはウラジオストク※税関)が中国からの輸入品に対する関税を大幅に引き上げた
――と明らかにしました。
※ウラジオストクの中国での呼称は「海参崴」ですが歴史的経緯からこの名称は使われません。中国からロシアに割譲した(分捕られた)のですが、返還されていない(取り戻せていない)ので、その事実を思い起こさせるからです。
12月01日より、ロシアは中国から輸入される家具部品に対して、55.65%の高率関税を新たに課すことにした――というのです。
これがアメリカ合衆国なら「すわ、制裁関税か!」なのですが、ロシアで、家具部品って何?――なのです。
しかも高率の関税を科す手口が、またヘンなのです。
ロシア税関が新たなルールで――一部の家具部品を「ベアリング(軸受)」に分類。この分類変更により、関税が従来の「0%」から「55.65%」に激増した――というのです。
さらに、ロシアの新政策では「過去3年分の取引にもこの高関税を適用する可能性がある」とのこと。
新税率の遡及適用というのも無茶ですが、これにより、すでに終わった取引について「追加で関税を払え」となるケースが出てくることになります。そのため、破綻する中国輸出企業が出るかも、という話になっています。
傑作なのは、中国語のSNS上では「この裏切り者めが!」「西側から制裁されてるロシアを助けてきたのに、恩知らず!」「プーチンはトランプよりも厳しい関税を何の前触れもなく導入した」とった声が上がっていることです。
なぜロシア税関が突然こんなことを行ったのか――がよく分かりません。「財政赤字の補填や自国の家具産業保護」とは考えられますが……。
(吉田ハンチング@dcp)