2025年02月14日、中国の国家外為管理局が2024年第4四半期の国際収支統計の暫定版を公表しました。
これが驚愕の結果です。外国人投資家の「中国には投資しない」という強力な意志が表れています。
まず以下をご覧ください。公表された2024年通年の国際収支統計の結果の表組から切り出したものです。
2024年通期
直接投資
資産の部:1,728億ドル
負債の部:45億ドル
収支(資産 – 負債):1,684億ドル
外国から中国への直接投資の金額は「負債」の部に表れます※。2024年は通年でたったの「45億ドル」しかなかったのです。
これは驚愕の少なさです。この負債の部、すなわち外国から中国への直接投資の金額の推移を、1981年から2024年でグラフにしてみると以下のようになります。
データ出典:『中国 国家外為管理局』公式サイト「中国国际收支平衡表时间序列(BPM6)」と02月14日同局が公表したデータより作成
まさに「なんだこりゃ」というグラフです。
中国がようやくコロナ禍から抜けて、これで中国市場がリオープニングするぞと期待された2021年には、「3,440.7億ドル」という巨額が中国に投じられました。
ところが、2022年には「1,902.0億ドル」、2023年には「423.3億ドル」と激減し、2024年にはとうとう「45.3億ドル」まで縮小してしました。
2024年「45.3億ドル」は、中国リオープニングの期待が沸き起こった2021年と比較して99%減少(正確には98.7%)という悲惨な結果です。
過去のデータをさかのぼってみると、ここまで悲惨な数字は1991年の「43.7億ドル」しかありません。
外国からの投資金額という観点では、中国は33年もさかのぼったことになるのです。
これは習近平さんでなくても「頼むから中国にお金を入れてくれ」と言うでしょう。
しかし、これはまさに自業自得。何をされるか分からない国に投資なんかするバカはいない――という結果でしょう。
※中国の国際収支統計表は自国から出ていったお金を「マイナス」表記し、入ってきたお金を「プラス」表記します。見にくいことこの上ないのですが、国際収支統計は資産の増減に注目するものなので、普通は「資産の部:1,728億ドル」と表記して、直接投資によって中国が外国に保有する資産が「1,728億ドル」増えました――となります。上掲のとおり中国の国家外為管理局は「-1,728億ドル」と表記していますが。普通はプラスで表記しますが、外国の資産が増えているということは、その分中国から外国にお金が出ていったということなので「キャッシュアウト」を意味します。
(吉田ハンチング@dcp)