手っ取り早くお金を儲けるために財布の中を見てみませんか? 製造段階で問題のあったものがそのまま市中に出回ってしまった「エラーコイン」が高額で取引されています。もしあったら……。いくらぐらいになるかご存じでしょうか!?
『新橋スタンプ商会』の代表取締役社長、寺田実さんにお話を伺いました。
■一番メジャーなエラーコインは「穴なし五十円」
――製造過程でミスのあった「エラーコイン」といわれるものですが、中でも一番メジャーなものは何でしょうか?
寺田社長 「穴なし五十円」でしょうね。なぜか「昭和50年の穴なし五十円」は枚数があるようで、私もこれまでに10枚ぐらいは見ています。
――いくらぐらいで買い取ってもらえるのでしょうか?
寺田社長 状態によるのですが「20万円前後」は間違いないと思います。
――かなり高額ですね! なぜ昭和50年のものばかりなのでしょうか?
寺田社長 それは分かりません(笑)。なぜかそうなのです。もし昭和50年以外で、穴なしの五十円が出てきたら、倍の値段が付くと思います。
■「穴ずれ五十円」も高額で取引される!
――他にメジャーなエラーコインといいますと?
寺田社長 「穴ずれ五十円」もメジャーです。穴が、本来の位置からずれていればいるほど価値は高いです。例えば1ミリ未満のずれであれば、それは大して価値はありません。やはり「3-4ミリ」以上のずれがあるものに価値があります。
――いくらぐらいで買い取ってもらえますか?
寺田社長 やはり程度によりますが「5-6万円」でしょう。
――五十円が「5-6万円」ですから、これはスゴイですね。他にエラーコインはどのようなものがありますか?
寺田社長 五十円は「穴を開ける」という工程があるので、他の硬貨と比べてエラーが起こりやすいのかもしれませんね。実は五十円以外でエラーコインというのはあまりないのですよ。ですから、例えば百円のエラーコインというものがあれば高額になります。
――それはどんなものがあるのですか?
寺田社長 例えば、2枚重なったところに刻印をしてしまった百円というのがありましたが、これなど50万円の値が付きました。
――百円玉が50万円ですか!
■日本のエラーコインは珍しい! 近年のものが出たら2-3倍は確実!
寺田社長 金額からも分かるとおり、(日本の)エラーコインというのはとても珍しいのです。というのは、日本の造幣局の技術精度というのはどんどん上がっていますし、検査体制もしっかりしていますので、エラーコインが市中に出回る可能性が、近年になるに従ってどんどん低くなるわけです。
――なるほど。
寺田社長 ですので、先ほど申し上げた「穴なし五十円」にしても昭和50年、「穴ずれ五十円」にしても例えば昭和43年というふうです。これで平成の、例えばここ2-3年の、平成24年のエラーコインが出てきたりしたら、確実にこれまでの取引価格の2-3倍ですね。
――探してみます!
寺田社長 なかなかないから高額なのですよ(笑)。例えば、アメリカではエラーコイン、失敗作ができたら、造幣局のスーベニアショップ(お土産屋)で売ってしまいます。そうすることで市中に出回っても高額になることを抑えるのです。
ですから、アメリカのエラーコインだ! 高値が付くぞ! と飛び付かないでください。お土産屋で売っていたものかもしれませんので。よく確認しないと。日本とは違いますから(笑)。
■オークションに気を付けて!
――最近はネットオークションでエラーコインが取引されているようですね。
寺田社長 ネットでの取引には気を付けてください。細かいポイントを見られないことが多いですし、下手すると偽物をつかまされる可能性があります。上記の穴なし五十円に見せ掛けるために穴を埋めたものなど、偽物も出回っています。
――そこまでする人がいるのですか?
寺田社長 はい。貨幣を勝手に変造することは重大な罪になりますが、そうしたことをする人がいることは確かです。だまされないように、もし何か変わった貨幣や紙幣などが本物かを確認したいときは、鑑定のプロにご用命ください。安易に信じるのは危ないですよ。
――ありがとうございました。
いかがでしたか? エラーコインが高額で買い取ってもらえるのは確かなようです。万が一ということもありますから、小銭貯金や財布の中身を確認してみませんか?
(高橋モータース@dcp)