現在社会人の皆さんのほとんどがクレジットカードを持っていらっしゃるでしょう。大変に便利なクレジットカードですが、実は日本とアメリカでは、利用した金額の支払い方法などに大きな違いがあるのをご存じでしょうか?
■どこまで払うか自分で決められる!
日本では、クレジットカードの利用料金は月ごとに締められ、その翌月に指定された口座からその全額が一括引き落としされるのが普通ですね。最近ではその金額のうちのいくらかを分割支払いにしたり、先延ばししたりといったサービスがあったりします。
一方、アメリカでクレジットカードを利用すると、基本はリボルビング支払い(いわゆる「リボ払い」)になります。またminimum payment(あるいはminimum amount dueで「最低支払金額」の意味)以上であればいくら支払ってもいいのです。
つまり、その月にやってきた「statement」(明細書)の中でいくら支払うかは自分で決めることができるのです。ですから、「minimum payment」だけ支払って後は次月以降、なんて選択も可能です。
この点が日本のクレジットカードと大きく違っています。基本リボ払いですから、買い物をした際に「一括ですか? 分割ですか?」などと聞かれることはありません。便利なようですが、これが落とし穴なのです。
■アメリカ人がカード破産する構図
上記のようにアメリカでは、最低支払金額を払っていれば、それより多い金額は先送りしていくことができます。アメリカ人の平均クレジットカード保有枚数は5枚といわれます。そのうち1割は10枚以上持っているそうです。
クレジットカード破産のよくあるパターンは、多くのクレジットカードを持って、それぞれで「最低支払金額」を払い、また借金を重ねるというものです。1枚のクレジットカードの使用限度額に達したら次のクレジットカードを使うのです。
手持ちのクレジットカードが全て限度額までいったら、また新しいクレジットカードを作るのです。もちろんこんなことはずっと続けることはできません。いつかはドボンです。
クレジットカード破産者が多い原因の一つは、このような利用料金の支払いシステムにあるのではと識者は指摘します。しかし、カードを使ってもらう方からすれば、なかなか元本の減らない、利息をできるだけ長く支払い続けてくれる客こそ上客なのです。
以前に「お金を意識するなら必ず知っておきたい利息の話」で紹介しましたが、「リボ払い」というシステムは、なかなか元本の減らない支払い方式なのです。クレジットカードに限りませんが、借金はなるべく早く返すようにしましょうね。
(高橋モータース@dcp)