メイ首相の苦境が外部から見ても明々白々であるため、EU首脳部の動きがリークされるようになっています。合意なき離脱に陥った場合、イギリス経済は大打撃を受けますが、EUが浴びる返り血も小量では済みません。重要なポイントはやはり「お金」です。
これまで「手切れ金」などと呼ばれてきましたが、EUへの分担金支払いが遅延したり、また凍結されたりするとEUの運営にも支障を来す可能性があります。EUとしてもできるだけスケジュールに沿った「損をしない離脱」を達成する必要があるのです。
「プランBなどと言うものはない」と、離脱条件の再交渉の可能性をきっぱり否定してきたEU首脳側の態度が、ここにきて「文言の修正もあり得るかも……」といった妥協点を探すものに変化している――という報道が出ています。ただ、あくまでもEUの態度としては、イギリスの行動待ちです。12月11日にイギリスの下院で草案が否決された場合、メイ首相がどのような要求をEUにしてくるのか、それを待つ構えです。
12月11日:イギリス下院で離脱草案の可否を採決
12月14-15日:EU首脳会議
という日程ですので、来週の後半は欧州の行方を占う数日となるでしょう。
(柏ケミカル@dcp)