中国が張り切って合衆国公債の売却を進めています。
2022年12月15日、アメリカ合衆国の財務省から「合衆国公債の主要ホルダーと保有額」のデータが公表されたのですが、中国が面白いことになっています。
以下をご覧ください。
⇒データ出典:『アメリカ合衆国 財務省』「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」
2022年10月時点で中国の合衆国公債保有額は「9,096億ドル」とさらに240億ドル減少しました。
2022年の「中国の合衆国公債の保有額」推移を見ると以下のようになります。
とうとう「9,000億ドル割れ」寸前まできました。
Money1でもご紹介しましたが、中国は英語版の御用新聞である『Global Times』を通じて、「合衆国が中国との対立を進めるなら、米国債の保有を8,000億ドルまで減らすぞ」と脅したことがあります。
これに対して日本メディアも含めて識者からの反応は「どうぞご勝手に」という論調だったのですが、現実化に近づいています。
中国が合衆国公債の売却を進めているのは、一つは、例えば台湾侵攻が現実になった際にロシアのように外貨準備が凍結されるかもしれないという懸念があるからでしょう。ポートフォリオの組み換えを行っているものと推測できます。
なにせ、合衆国公債は合衆国がボタン一発、ナノ秒で凍結することができますので。
また、単純に「ドルが足りない」という事情もあるものと思われます。輸出がかつてないほど弱っていますので、ドルの入りに問題を抱えているのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)