中国「オレたちは“運命共同体”だよな」

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自由主義陣営国との対立が深刻になっているので、中国は仲良くしてくれる国、味方になってくれる国を求めています。

しかし、かつて「中国に友人は必要ない」と述べています。「国家に真の友人はいない」は確かにそのとおりで、中国も友達は求めていません。利用できる国を求めているのです。

2024年03月29日、中国外交部の定例記者『Bloomberg』で面白い言及があったのでご紹介します。

質問にたったのは国営ラジオ『中国の声』ですので、当たり前ですが出来レースです。中国当局が言いたいことを言うために記者に質問させているのです。

Money1でもご紹介したことがある「中国・中央アジア首脳会議」についてです。


↑2023年05月に西安で開催された「中国・中央アジアサミット」。

この「中国・中央アジア首脳会議」には、

・カザフスタン
・キルギス
・タジキスタン
・トルクメニスタン
・ウズベキスタン

の5カ国の首脳が集いました。サミット1周年が近づいているので、さっそく中国政府はこの会議の意義について強調することを考え、記者に質問させたというわけです。

以下がそのQ&Aです。中央アジア5カ国と中国との連携について御託を述べていますが、それはどうでもいいことです。林剣報道官の回答の最後の部分にご注目ください。

中国国営ラジオ『中国の声』記者:
昨年05月、西安で中国・中央アジア首脳会議が成功裏に開催され、中国と中央アジア諸国との交流の歴史において重要なマイルストーンとなった。

習近平国家主席は西安で、6カ国が中国に中国・中央アジアメカニズム(CCM)の事務局を設置することに全会一致で合意したと発表した。

サミットが1周年を迎えようとしている今、中国・中央アジア・メカニズムの発展と事務局設立の準備について、最新の状況をお聞かせください。

林剣:
4年前、中国と中央アジア5カ国は、協力の必要性と時代の発展の趨勢に応えて、中国・中央アジアメカニズム(CCM)を共同で設立し、この4年間、メカニズムの建設は急速に発展し、各分野で実りある協力を行ってきた。

昨年05月、中国・中央アジアサミットが西安で成功裏に開催され、中国・中央アジアメカニズムが国家元首のレベルに昇格し、中国・中央アジア協力の新時代が到来した。

サミットのコンセンサスに導かれ、中国の中央アジア諸国との協力は有望な成果を収めた。

昨年、中国と中央アジア5カ国の貿易額は900億ドルに迫り、前年比27.2%増加し、過去最高を更新した。

経済貿易、エネルギー、農業など伝統的な分野での双方の協力は増加傾向にあり、ハイテク、グリーンエネルギー、電子商取引など新しい分野での協力も明るさを増している。

中国-欧州定期航路の輸送能力は引き続き向上しており、中国-吉林-ウクライナ鉄道、中国-トルコ高速道路主要区間の第2期工事、その他の大型プロジェクトは着実に進んでおり、双方の旅客直行便は68便に増加し、中国と中央アジアの立体的な接続パターンは完成の一途をたどっている。

中央アジア初の中国文化センターがキルギスに設置され、ルバン工作室は同国で順調に運営され、孔子学院は現地の人々に広く歓迎され、双方の友好都市は80組に増加した。

このような具体的な協力の成果は、中国・中央アジアメカニズムのユニークな利点と大きな潜在力を示している。

事務局の早期設立は、6カ国首脳のコンセンサス実現に向けた重要な一歩であり、中国・中央アジアメカニズム構築の最優先課題でもある。

中国と中央アジア5カ国は、03月30日に陝西省西安市で中国・中央アジアメカニズム事務局の発足式典を開催することで合意したことを、この場を借りてお伝えしたい。

中国は、各当事者の共同の努力により、中国・中央アジアメカニズムとその事務局が引き続き発展・改善し、中国と中央アジアの質の高い協力を後押しし、より緊密な中国・中央アジア運命共同体の構築の推進に新たな、より大きな貢献をすることを固く信じている。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「2024年3月29日外交部发言人林剑主持例行记者会」

中国は、この「中国・中央アジア首脳会議」について、5カ国が「中国との運命共同大統領」を形成するためのもの――と考えていることが分かります。

独裁国家と運命共同体になりたい国などあるでしょうか。それぞれの国の「国民」は「わが国は中国と運命共同体だ」などという話を是とするでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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