2024年05月10日、『在中国欧州連合商工会議所』が「2024年中国における欧州ビジネス景況感調査(BCS)」という興味深いビジネスサーベイを出ました。
この年次調査によると、2023年初頭にコロナ禍のロックアウトを解いた中国でしたが、中国市場における景況感は低下傾向が続いています。摘要では以下のように書いています。
中国に進出している欧州企業は、多くの企業が期待していた力強い景気回復の恩恵を受けるどころか、より不透明な状況に直面している。
需要の低迷、過剰生産能力の増大、不動産セクターの継続的な課題など、中国の構造的な問題は、市場アクセスや規制上の障壁と共に、欧州企業にマイナスの影響を与え続けた。
2023年初頭には「中国の力強い景気回復がくるぞ」と喧伝されたくせに、全くそうはなりませんでした。欧州企業も大空振りにがっくりきた様子が伝わってくる書き方です。
面白いのは、アンケートによると、欧州企業の68%が「ビジネスがより困難になった」と回答していることです。また、
中国経済の減速をビジネス上の課題だ:55%
(対前年比で19%増加)
今後2年間の収益性を悲観している:44%
(この項目は過去最高)
といった回答から欧州企業は中国市場に対して悲観的であることが分かります。回答企業のうち52%がコスト削減を計画しており、そのうちの26%は人員削減によるものです。
中国から手を引きたいというわけです。
「2024年に中国での事業拡大を検討している」という企業がまだ42%あるのですが、この数字は過去最低の水準。中国としては決して喜べるものではありません。
Topである習近平さんから、首相の李強さん、外交部長の王毅さん、商務部などなどまで、上から下まで躍起になって「中国に投資しよう!」「今がチャンス」なんて連呼していますけれども、外国の企業からすれば「ウンザリしている」のが本当のところでしょう。
もはやネギ背負ったカモが、のこのこ中国まで出かけていくなんて話はないのでは……。
(吉田ハンチング@dcp)