韓国「通貨スワップ協定」への執念 今度は「G20と締結」と言い出す

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韓国経済が苦境に陥っているとされますが、最大の課題は「ドルの枯渇」を避けることです。

ドルが極端に少なくなると対外取引の決済ができなくなることが予想されます。またドル不足のため、短期対外債務の返済ができなくてドボン、ロールオーバーできないことからドボンといったデフォルト(債務不履行)の道筋が見えてきます。

「お金がないのは首もないのと同じ」というのは西原理恵子先生の漫画に登場する名言ですが、「ドルがないのは首もないのと同じ」なのです。

足りないものはなんとか調達するしかないのですが、2020年03月16日『中央日報(日本語版)』に「李洛淵前首相「通貨市場安定のためG20との通貨スワップ締結提案」という記事が出ました。

⇒参照:『中央日報(日本語版)』「李洛淵前首相「通貨市場安定のためG20との通貨スワップ締結提案」
https://japanese.joins.com/JArticle/263701
強調文字は筆者による

現文政権の国務首相を務めた(2020年01月14日に退任)李洛淵さんが「G20各国と通貨スワップ協定を結ぶ」ように政府に提案する、というのです。

ドボンになりかかっているのを自覚しているからかもしれませんが、これまた無理スジの提案になりそうです。

まず時期的にいかがなものか、という問題です。通貨スワップ協定は「いざという時に流動性を確保する」ために平時に結ぶもので、ドボンになりかかっている国と結ぼうなどという相手国はありません。「助け合う」のではなく、支援が片務的になってしまうことを喜ぶ国などないからです。

つまり、自国経済が安定している時期に相手国を見つけて締結するか、ドボンになってから仕方なく締結してもらうかのどちらかです。実際、2008-2009年の韓国通貨危機の際に、アメリカ合衆国、中国、日本が(しぶしぶ)通貨スワップ協定を結んだのは、韓国が事実上ドボンになってからでした。

まして現在は、世界的に各国が新型コロナウイルスによる経済的打撃に苦しんでいます。自国経済を顧みず韓国を助けようなんていう奇特な国はありません。

次に、どの国が締結してくれるのかという問題があります。韓国が入手すべきはハードカレンシーです。すなわち、ドルユーロポンドスイスフランです。スイスとはすでに締結していますが、合衆国、EU、日本、イギリスは韓国と通貨スワップ協定を締結すべき理由がありません。

ローカルカレンシー「ウォン」はいざという時に役には立たないからです。「ウォンでも役に立つかも」と考えてくれる国しか韓国と通貨スワップ協定を締結する国はないでしょう。

なんでもいいから外貨が欲しいというのであれば別ですが、セーフティーネットと考えるのであればハードカレンシーでなければならず、それはどの国(合衆国、EU、日本、イギリス)にとっても得になりません。ですから、やはり無理スジです。

追記
無理スジが通りました。合衆国のFRBは、2020年03月19日「FED(連邦準備銀行)が韓国を含む9カ国と新たなスワップラインを結ぶ」と声明を出しました。上掲で無理だと断定したことは誤りでした。深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。

(柏ケミカル@dcp)

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