投資の世界では「ポートフォリオ(portfolio)」という言葉が頻繁に登場します。それだけ大事なわけですが、皆さんはポートフォリオという言葉の意味をご存じでしょうか?
■「portfolio」は「紙をとじて一覧性を高めたもの」
「portfolio」は日本語に訳すと「折りかばん」「書類入れ」「紙ばさみ式の画集」といった意味ですが、この英単語はもともとイタリア語の「portafoglio(ポルタフォリオ)」(折りたたみ式の財布の意味です)を語源とします。
紙をとじて一覧性を高めたもの、を指す言葉とイメージすればいいかもしれません。クリエーティブ業界(ケッ!)ではポートフォリオという言葉は自分の実績をクライアントなどに見せるための「作品集」といった意味で使われます。
しかし、金融・投資の世界では「自分が所有している株式・債権などの一覧」といった意味になります。今では株式も電子的なものですが、株式、債権を紙だと捉えればこちらも「一覧性」が大事なポイントだということが分かりますね。
なぜ、このポートフォリオという言葉が金融・投資の世界でそんなに使われるかといいますと、そもそも自分が持っている資金を投じるときには「分散投資が基本」となるからです。
■玉子は同じカゴに盛るな!
金融・投資の世界には「玉子は同じカゴに盛るな!」という格言があります。同じカゴに盛ると、そのカゴを落としたら玉子は全部割れてしまいますが、複数のカゴを用意して、それぞれに玉子を盛っていけば、カゴを一つ落としても残りのカゴに盛った分の玉子は助かりますね。
これは、資金(玉子)を一つの銘柄・債権(同じカゴ)に集中する(盛る)ことを戒める格言なのです。資金は、常に分散して「A株式銘柄を1,000株、B債権に1,000万円、C外国株式を500株」というふうに投資しろ、といっているのです。実際、このように資金の投下先を分散させると、その分リスクは軽減されます。
この「A株式銘柄を1,000株、B債権を1,000万円、C外国株式を500株」がまさにポートフォリオです。このような資金の投資先一覧が「あなたのポートフォリオ」で、その中身がどうなっているかが問題というわけです。
「ポートフォリオをどのように組むか」とは、どんな銘柄にどれぐらいずつ投資して、資産をどのように構成するか、という意味です。また「どんなポートフォリオになっているの?」と聞かれたら、「資産がどのように構成されているか教えてほしい」という意味です。
有効な資産の増やし方を考えることは、とりもなおさず「どんなポートフォリオにするか?」を考えることなのです。ポートフォリオ(portfolio)の大切さがお分かりいただけたでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)