なぜ中国のドル不足が深刻になって表面化しないか不思議ではありませんか?
アメリカ合衆国が中国を締め付けており、その結果としてそろそろ手持ちのドルが不足してきてもおかしくないと考えられます。
中国は、
・輸入代金の支払い
・人民元の通貨防衛(ドルを売って人民元を買う)
・ドル建て国債の利子払い(対外債務の利子払い・償還)
etc
によって大量のドルを消費しているはずです。
しかし、ドルの流入口は合衆国によって次々にふさがれています。
・輸出が減少している ⇒ その代金としてのドルの流入量が減少
・香港の特別待遇を停止 ⇒ 香港からのドル流入をふさぐ
・合衆国株式市場から中国企業を締め出す ⇒ 株式市場からのドル流入をふさぐ
これで手持ちのドルが減少しないわけがありません。
中国のドルはどこまで持つのでしょうか? 現在どこまで減少しているのでしょうか。
07月時点で「3兆1,544億ドル」と中国の外貨準備はいまだに威勢のいい発表を続けているのですが、さてこれがどこまで信用できるかです。
韓国と違って「Securities(証券類)」「Deposits(預金)」と分けて発表しているわけでもなく、なで切りにした金額ですので内訳が分かりません。ただし、この中の約1兆ドルは合衆国公債であることは、合衆国の財務省からの発表によって分かっています(以下をご覧ください)。
対外純資産は「1兆ドル」を切った!
また、外貨準備は資産のみのカウントですが、負債も入れて差し引きして見た場合、中国の状況は違って見えます。
中国共産党の「外国為替国家管理局」の公表したデータでは、2020年第1四半期時点で中国の対外負債は2兆946億ドル。
つまり、差し引きすると2020年03月末時点で中国の対外純資産は「9,600億ドル」ほどということになります。1兆ドルを割っているわけです。
もちろんこの数字はまだ大したものです。しかし、中国は「3兆ドルの外貨準備がある」と誇っていますが、これからドルの流入がどんどん減ればどうなるでしょうか?
それでも輸入はしなければ国(国民の暮らし)は立ちゆきません。中国はもはや食糧輸入国になっていることを忘れてはいけません。つまり、差し引き赤字になる可能性も高いのです。ドルの減少に拍車がかかるでしょう。
中国のドル不足はどこで露呈するでしょうか?
(吉田ハンチング@dcp)