日本は祝日ですが、外為市場は動きます。
『Bloomberg』が興味深い記事を出しています。中国当局が利下げに踏み切る可能性が高まっている、というのです。以下に記事の一部を引用します。
中国は低迷する経済を下支えするため、人民元の切り下げを余儀なくされるのではとの観測が、金融市場でひっそりと高まっている。これは極端で大きな議論を呼ぶ措置だ。
大幅切り下げ支持派は、中国当局が輸出を押し上げ、中国人民銀行(中央銀行)に利下げ余地を与えることにつながると主張する。
一方、懐疑派は、資本流出と一段の元安のフィードバックループを招くだけで、世界の為替市場を不安定化させかねないと指摘する。
元切り下げは少数派の見解ではあるが、中国が景気刺激に向け手段を深く探り、金融・財政支援の断片的手法に失望した投資家の支持を得る中で、注目を集めている。
2015年の衝撃的な人民元切り下げでは元建て資産が痛手を受け、中国の市場管理能力に対する信認の危機に発展したが、それ以来利用されておらず、物議を醸す選択肢だ。
(後略)
中国こそ為替操作国ですので、元安阻止の防衛ができなくなるほど通貨安圧が高まったら、「切り下げも仕方あるまい」になっても別に不思議ではありません。もちろん『Bloomberg』の指摘するとおり、一段の資本流出、また信任の危機に発展するかもしれません。
圧力がかかりすぎた堤はどこかで決壊するものです。
(吉田ハンチング@dcp)