2020年11月05日に『韓国銀行』が「2020年09月末時点での外貨準備高」を公表。「約60億ドル」増えた理由として「지준 예치금(ジジュン預金)の増加」を挙げました。
しかし、
지준예치금 : 중앙은행에 예치되어 있는 은행예금.
ジジュン預金:金融機関が中央銀行に預けている銀行預金
(支給準備預金の略:日本では普通「準備預金」※)
なので、これはそもそも預金を預けている金融機関のものです。これを国の外貨準備とカウントしていいのか、という話です。
「どうなんだ」と資料を捜していましたら、『韓国銀行』の外資運用ウォン運用企画チーム次長が「外貨準備」について語ったセミナーの中身を見つけました。このユン・チャンジュン次長は次のように述べています。
外貨準備高に相当する外国為替は、このように個人や金融機関、企業が保有している外貨ではなく、外国為替当局、すなわち中央銀行や政府が保有している必要があります。
外貨準備高の概念については少しぼやけていることもありますが、個人が持っている外国為替や市中銀行などが保有している外貨は、韓国の外貨準備高に含まれず、中央銀行や政府が保有して管理する外貨資産を外貨準備高とします。
この説明は、韓国が死神と呼ぶIMF(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)の定義にもかなったもので、IMFに加盟している韓国、その中央銀行である『韓国銀行』としては当然のものです。
しかし、市中銀行が中央銀行に預け入れた預金も「中央銀行が保有して管理しているもの」になるのでしょうか。11月05日のプレスリリースからすると「金融機関が『韓国銀行』に預け入れたお金も外貨準備に組み入れている」と読めます。
韓国は、危機時には「金融機関が『韓国銀行』に預け入れた準備預金も外貨準備として使う」ことになりますけれども。
※準備預金制度については、日本の中央銀行『日本銀行』の説明を以下に引きます。
準備預金制度とは、対象となる金融機関に対して、「受け入れている預金等の一定比率(これを「準備率」といいます)以上の金額を日本銀行に預け入れること」を義務付ける制度です。 このようにして日本銀行に当座預金または準備預り金として預け入れなければならない最低金額を、「法定準備預金額」(または所要準備額)といいます。
(柏ケミカル@dcp)