2020年12月31日です。本年はコロナ禍のため世界的に経済がダメージを受けました。韓国経済も大打撃を受け、激動の1年でした。Money1でも韓国経済についてさまざまな記事を上げてきましたが、2020年、読者の皆さんに最も読まれた記事Top10は以下にようになりました。
第1位
韓国のドル流動性が枯渇する中、にわかに「日韓通貨スワップ」結ぶべきという話が韓国で盛り上がりました。そんな中、『韓国銀行』の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が実は何度も「日韓通貨スワップ」のオファーを行なっていたという証言が出たのです。
第2位
韓国で「日韓通貨スワップ」を締結すべし!という話があちこちから出て、「04月中に」などと期限を切っての発言もありました。まさにこのとき韓国ではドル流動性が枯渇し、ドボン寸前だったわけです。
第3位
FED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結した「ドル流動性スワップ」を利用し、韓国ではなんとかドボンを避けることができました。しかし、調達したドルのうち、84日など満期が長いものについては、06月25日から返済を開始しなければなりませんでした。
第4位
韓国メディア『ソウルファイナンス』に「日韓通貨スワップなど不要」という記事が出ました。「あのブドウは酸っぱい」みたいな内容でしたが、日本に対する複雑な心境をも吐露したものでした。
第5位
韓国は第1~6次に渡って、ドル流動性スワップを利用してドルを調達しました。第1次調達の84日満期「79億2,000万ドル」の返済期日が06月25日でした。もし返済できなければ世界的に赤っ恥をかくところだったのです。
第6位
韓国の経団連といわれる『全国経済人連合会』の許昌秀(ホ・チャンス)会長が「『日韓通貨スワップ協定』を締結すべし」と発言したのですが、その中身を原文に当たってみると……それは無理でしょうという内容でした。
第7位
韓国航空業界最大手の『大韓航空』はじめ、航空産業の業績は大赤字で破綻必至という事態になりました。政府がお金を入れなければ飛ぶ、という切羽詰まった状況だったのですが、この期に及んで財務諸表に誤りが発見されたのです。
第8位
『全国経済人連合会』が企業にアンケートを行なった結果では、韓国経済が危ないので「日本などの主要国と通貨スワップを締結すべき」という回答が多く寄せられました。とにかくこの時期、韓国ではそれほどドルがなかったのです。こっちを見られても困るのですが。
第9位
一応、最も危険な時間は過ぎた06月、それでも流動性に不安を感じていた韓国政府は「アメリカ合衆国」「中国」との「通貨スワップ」を延長しようと動きます。ちなみに、韓国『中央日報(日本語版)』は何かというと「通貨スワップ」関連の記事が出る不思議なメディアです。Money1では、同紙に何回「通貨スワップ」絡みの記事が出たかも数えてました。
第10位
トルコが外貨準備の急減に耐えきれず、(よせばいいのに)韓国に「通貨スワップ」締結を求めた――という記事が韓国メディアに出ました。「本当に韓国に求めたのか」という疑問があり、海外メディアに当たってみました。
Top10のうち9つまでが「通貨スワップ」絡みでした。2020年03月には韓国のドル流動性が枯渇し、FED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と『韓国銀行』の間でドル流動性スワップが締結され、これによって韓国はなんとか極度のウォン安から逃れることができました。
ドル枯渇状況の中、「日韓通貨スワップ」待望論が韓国内で上がりました。しかし、日本では「そんなものを締結するいわれはない」という反発の声が大きく、結局日韓の「通貨スワップ」が再締結されることはありませんでした。
「通貨スワップ」以外で唯一Top10に入ったのは『大韓航空』関係の記事ですが、2020年の韓国はとにかく航空産業のドタバタが続きました。
文在寅大統領のぶち上げた「40兆ウォン規模の基幹産業安定基金」は結局ナニもせず、誰も助けないままでした。「40兆ウォン」を集めたという話はなく、「お金を出しますよ」という発言はあっても「出しました」とは最後まで聞こえてきませんした。
結局、国策銀行『産業銀行』の旗振りによって、『大韓航空』は『アシアナ航空』と合併することとなり、それに向けて動き出しています。
韓国経済の回復にはまだ時間がかかるものと見られます。Money1でもさまざまな記事を上げることになると思われますが、引き続きご愛顧を賜れれば幸いです。
(柏ケミカル@dcp)