韓国は輸出で食べている国です。
輸出金額の方が輸入金額より十分に大きくないと国が傾きます。貿易収支(輸出 – 輸入)が大きな黒字であることが国の経済が存立するために必須です。
前文在寅政権の際には、「輸出が対前年比で増加しているので大丈夫だ」といってきました。しかし、焦点は「輸出が増えること」ではなく、その輸出でいくらもうかったか(いくら黒字になったのか)です。
実際、前文在寅政権末期、2021年の終わりから貿易赤字が現れるようになり、現尹錫悦(ユン・ソギョル)政権では貿易赤字が連続している現状です(ただし通関ベース)。
このまま貿易赤字が続くと、外貨の入りが少なくなって、流動性に問題が生じることがあり得ます。
事態を好転させなければならないのですが、悪い兆しの方が目立ちます。
輸出の屋台骨を支える「半導体」の先行き懸念、および対中国輸出の減少です。
10月11日に関税庁が公表した資料を引きます。まず主力輸出品の動向です。
ご注目いだたきたいのは、△の付いている「対前年同期比」がマイナスになっている品目です。
韓国の輸出の屋台骨を支える「半導体」は「-20.6%」。鉄鋼製品は「-36.1%」など非常によろしくありません。
次に対中国貿易の輸出入を見てみましょう。
対中国貿易(2022年10月01~10日)
輸出:29億8,700万ドル(-23.4%)
輸入:34億4,600万ドル(+3.9%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-4億5,900万ドル
そもそも対中国貿易で「-4億5,900万ドル」と赤字なのが大問題ですが、ご注目いただきたいのは、やはり対前年同期比の増減です。「-23.4%」と大きく減少しています。
そのくせ中国からの輸入は「+3.9%」増えています。
10日間の結果なので確定的なことはいいづらいですが、半導体の輸出は減少、対中国貿易におけるもうけは赤転傾向にあります。
つまりは、韓国の輸出を支えてきた大きな柱が弱体化しているのです。
由々しき事態という他はなく、そのため韓国政府は「緊急マクロ経済会議」を開いたりしていますが、すぐに結果が出るような解決策はありません。
(吉田ハンチング@dcp)