2023年09月27日、『NHTSA』(National Highway Traffic Safety Administrationの略:アメリカ合衆国運輸省道路交通安全局)が以下の「消費者に対する注意勧告」のリリースを出しました。
韓国『現代自動車』『起亜自動車』の車種、計330万台以上に対するリコールです。
『Hyundai Motor America (ヒュンダイ・モーター・アメリカ)』と『Kia America(キア・アメリカ)』は、火災の危険性があるとして、330万台以上の車両に対して「屋外駐車」のリコールを発令した。
これらのリコール対象車の修理が完了するまで、メーカーによると、最も安全な駐車場所は屋外であり、住宅やその他の建造物から離れた場所である。
火災は、車両を駐車して電源を切っていても、走行中でも発生する可能性がある。
下記のヒュンダイおよびジェネシスの一部車両約164万台の所有者は、火災の危険性に関する新たなリコールのため、車両が修理されるまで屋外に駐車し、住宅から離れるべきである。
ヒュンダイの安全リコール(NHTSA ID:23V-651000)は、以下の車両およびモデル年式に適用される:
2012-2015 Accent
2012-2015 Azera
2011-2015 Elantra
2013-2015 Elantra Coupe
2014-2015 Equus
2011-2015 Genesis Coupe
2013-2015 Santa Fe
2013 Santa Fe Sport
2011-2015 Sonata HEV
2010-2013 Tucson
2015 Tucson Fuel Cell
2012-2015 Veloster
2010-2012 Veracruzまた、以下に示す約173万台の一部の起亜車の所有者は、車両の修理が完了するまで、車両を屋外に駐車し、住宅から離すこと。
起亜自動車の安全リコール(NHTSA ID:23V-652000)は以下の車両およびモデル年式に適用される:
2014-2016 Cadenza
2011-2013 Forte/Forte Koup
2015-2017 K900
2010-2015 Optima
2011-2013 Optima Hybrid
2011-2017 Rio
2010 Rondo
2011-2014 Sorento
2011-2013 Soul
2010-2013 Sportage車両のアンチロックブレーキシステムモジュールが内部でブレーキフルードを漏らし、電気ショートを起こす恐れがある。
電気ショートはABSモジュールに著しい過電流を生じさせ、走行中または駐車中にエンジンルーム内で火災が発生する危険性がある。
『現代自動車』は、ABSモジュールのヒューズを交換するため、最寄りのディーラーに車両を持ち込むよう、オーナーに通知する予定である。起亜自動車は現在も改善策を検討中である。
現在までのところ、この不具合に関連した事故、負傷者、死亡者は確認されていない。
合衆国では関連する車両火災が21件発生し、目に見える煙、燃焼、融解を含む熱事故も22件発生している。
現在までのところ、起亜自動車はこの欠陥に関連した事故、負傷者、死亡者を把握していない。
『起亜自動車』が把握しているのは、エンジンルーム火災1件、ユニット内火災3件、部品溶融6件である。
車両所有者は、NHTSA.gov/recallsにアクセスし、17桁の車両識別番号を入力することで、自分の車両がリコール対象かどうかを確認することができる。
リコール対象車である場合、所有者は直ちに最寄りのディーラーに連絡し、無償修理が可能な場合には修理を予約する必要がある。
また、『NHTSA』のSaferCarアプリをダウンロードすることもできる。車両、タイヤ、チャイルドシート、その他の車両装備を入力すると、リコールが発令された場合にアプリがプッシュ通知する。
約164万台と約173万台ですので、計337万台にも及ぶリコールです。
幸いなことに死傷者は出ていないものの、合衆国では、
車両火災:21件
目に見える煙、燃焼、融解を含む熱事故:22件
が発生したのを把握しているとのこと。「駐車中でも走行中でも火災が発生する可能性がある」とのことなので、要注意です。
それにしても、『現代自動車』『起亜自動車』では火災懸念のリコールがよく出ます。
上掲記事でご紹介したのは、2023年08月3日(現地時間/以下同)、韓国『現代自動車』『起亜自動車』の合衆国法人が公表した9万1,000台に対するリコール。
「オイルポンプの電子コントローラー内の部品に過熱の可能性がある」とのことで、これも下手をすると火災発生の懸念です。
上掲記事でご紹介したのは、2023年07月06日に公表された電気自動車13万6,000台の無償修理。「走行中に動力喪失」という不可思議な減少が発生するというものでした。
上掲記事でご紹介したのは、『現代自動車』の電気自動車「IONIQ5(アイオニック5)」で「ドアを開けた際にパーキングブレーキが解除される可能性がある」というソフトウエアエラーでした。対象車は「2021年01月~2023年02月に製作された5万1,471台」。
上掲記事でご紹介したのは『NTHSA』が2022年08月23日に公表した「場合によっては、走行中または駐車して電源を切った状態で電気ショートが発生し、車両火災が発生する可能性がある」というリコール。
対象車は計28万1,447台でした。
先にご紹介した「電気自動車による不可解な急発進」が多発していることもそうですが、原因の究明と対策の徹底が肝心です。
部品を新品にしたからOKとか、ソフトウエアを書き換えたからもう安心などの安易な対策でないことを祈ります。なにせ「充電ソフトを書き換えたから大丈夫」としていたら、やっぱり出火した――という例がありますので。
(吉田ハンチング@dcp)