最初に小ネタであることをお断りをして始めさせていただきます。誠に申し訳ありません。
中国が韓国との「通貨スワップ」を規模拡大して延長しましたが、英語でジャイアン的な悪態をつくことで有名な『Global Times』(中国共産党の御用新聞の一つ/胡锡进(Hu Xijin)編集長はその界隈では有名人)がナニか言っていないかと捜してみましたが……今回の契約延長については特に見つかりませんでした。
ただし、2017年時の「延長なるやならざるや」の面白い記事を見つけましたのでご紹介します。
以下の記事は2017年10月10日付けで、発表がないので「延長したのか、しなかったのか」とどきどきしていた、まさにその最中の記事です。
中国と韓国の通貨スワップ協定が火曜日に期限切れを迎える中、両国間の政治的緊張が続いていることを考えると、協定が延長されるかどうかは不透明なようだ。
(中略)
両国とも十分な外貨準備があるため、スワップ条項が利用されたことはないが、中国とのスワップ協定は、韓国にとって単なる金融協力の象徴ではない。
韓国はアメリカ合衆国との通貨スワップの延長に失敗し、2010年と2015年にそれぞれ期限切れとなった。
今回、中国との取引を延長できなければ、主要経済国との通貨スワップがないというのは、韓国にとっては良くないことだろう。
(中略)
したがって、中国とのスワップ延長ができなければ、韓国の為替市場の安定性にマイナスの影響を与えることは間違いない。
(後略)⇒参照・引用元:『Global Times』「Failure to extend currency swap with China will have negative impact on South Korea」
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
このように、契約が延長されるかどきどきしていたのは中国共産党の御用新聞の方も同じだったようです。ただ、韓国にとって中国との「通貨スワップ」契約延長は大事なことしていますが、「中国にとってはそうでもない」という書きぶりです。
この記事は最後が以下のように結ばれています。
To revive hopes for a renewal of the currency swap, observers say it’s necessary for South Korea to make more effort.
「通貨スワップ」更新への期待を復活させるためには、韓国の努力が必要だとの見方がある。
「韓国がもっと頑張れば契約更新できるかもよ」というわけです。
先にご紹介した↓当時のCCTVに報道と同じようなスタンスで、2017年当時には中国としては韓国との「通貨スワップ」はそれほど積極的に推進すべきものではなくなっていたのです。
今回、中国は韓国との「通貨スワップ」の規模を拡大したのですが、なぜそうしたのかについて仮説(邪推の域)があるのです。韓国は緊急時には中国の元を「上限4,000億元」利用可能となったのですが、この金額はニアリーイコールで「600億ドル」。現在合衆国が提供しているドル流動性スワップの上限金額と同じです。
つまり、中国は「合衆国と同じだけ出そうじゃないか」と見栄を張った――というのはいかがでしょうか。
(松田ステンレス@dcp)