指標(INDEX)の紹介記事をもう少し続けます。今回は、オシレーター系の中でも特に使用されることの多い「RCI」をご紹介します。「RCI」は「Rank Correlation Index」の略で、普通は「順位相関指数」と訳されます。大学で統計学を学んだ人は、「スピアマンの順位相関」を知っているでしょう。あれを株価のトレンド分析に用いるのです。
注目するのは「当日の終値」です。○日の期間内のそれぞれの日の終値、その終値の順位と日(の推移)との相関関係を求めます。計算式を出してしまいましょう。
d:n日間における、それぞれの日の「日数の順位と終値の順位の差」を二乗して、それをn日間分足したもの。
n:日数。RCIを調べるための対象となる期間。
初見では何のことか分からないと思いますが、覚える必要はありません。面倒くさいですから理解しなくてもいいので、下に読み進めてください。数式よりもどのように求めているかの仕組みの方が大事ですので。
例えば、スカラ(銘柄:4845)の2016年12月26日-30日の5日間の具体的な株価を基に、RCIを計算してみましょう。
まず、下のような表を作ります。
③の「順位」は、それぞれの日の終値を期間内(この場合は5日間)で比較して、高いもの順に並べたときの順位です。当日(この場合は12月30日)の終値が771円で、5日間の中で最も低いので「5」(番目)となっています。他の4日の終値も同様に順位が入っています。
気を付けていただきたいのは「日数」です。これは当日から順番に「1、2、3……」と振っていきます。次に差異です。このRCIでは「日数」と「順位」の差異を取ります。つまり、「日数(の立ち方)」と「株価の順位」にどのような相関関係があるかを調べているわけです。
実際に上の式に入れて計算してみます。
d = (-4)二乗 + (-2)二乗 + (0)二乗 + (2)二乗 + (4)二乗 = 40
1 - { 6 ×40 /5 × (5二乗 - 1) } = -1
-1 × 100 = -100%
株価と日数には100%の負の相関があることが分かります。つまり、日が経つにつれ株価は下落するトレンドにあることが確認されるわけです。
このようにRCIは、株価が日と共にどのような傾向を持って変動しているのかを示してくれるINDEXです。RCIは「+100%」から「-100%」の中で変動します。+の高い相関があれば、それは株価が上昇トレンドにあることを示し、-の高い相関があれば、それは株価が下落トレンドにあることを示します。
次回の記事では「RCIの使い方」についてご紹介しましょう。
(吉田ハンチング@dcp)