「EU」とは難しいもので…… 軟調なのはイタリアのせい!?

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EU(European Unionの略:欧州連合)」が成立したときには「これは巨大な社会実験だ」なんていわれたものですが、1992年に欧州連合条約が調印されてからすでに26年です。

それぞれ独立した国の主権の一部にEUが干渉するわけですから、そりゃ軋轢(あつれき)も生まれます。ユーロが軟調なのはイタリア反EU的な政治状況が影響しているとの指摘があります。

イタリアは経済状況が思わしくなく、EUの予算ルールに反する可能性のある国の一つに挙げられています(他にベルギーフランスポルトガルもそうですが)。

国内では経済状態の悪化を反映してポピュリズム政党である「五つ星運動」と極右政党「同盟」の力が拡大しており、05月24日には経済相にパオロ・サボナ(Paolo Savona:下掲の写真)さんを起用するよう大統領に圧力をかけています。

サボナさんは反ユーロ、ユーロ懐疑派と目されるエコノミストで、ユーロからの離脱を企図するよう政府に働きかけるような人なのです。EUで儲かって笑いが止まらないのはドイツだけ、という認識がEU圏の多くにありますのでポピュリズム政党が権力を握れば、その国が反EU、ドイツとの対立に傾くのは自明のことです。

EUの課す予算ルールが実際に破られることになったら、特にフランスがどうしても守れなくなったら、対ドイツの同盟が組まれEUは分解の危機に瀕するでしょう。

(柏ケミカル@dcp)

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