韓国は不景気です。軋み始めています。
先にご紹介したとおり、大手企業グループでも出金を絞るfrozen operatitonを開始しており、役員の待遇も悪くなっています。
『LGディスプレー』は12月05日から「40歳以上の生産職を対象に希望退職」を受け付けているのですが、同社が有償増資に乗り出すことになりました。
以下は2023年12月18日に出た公示です。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット
一般公募で新株を1億4,218万4,300株発行して資金を調達します。額面は1株「9,550ウォン」なので、調達資金は「約1兆3,578.6億ウォン」となります。
資金調達の理由とその金額は、以下のようになっています。
施設資金:4,159億ウォン
運営資金:5,483億1206万5,000ウォン
債務返済資金:3,936億4,800万ウォン
小計:1兆3,578億6,006万5,000ウォン
問題は株式が大幅に薄まることです。新株発行前の株式数は「3億5,781万5,700株」です。つまり、既存株式の「約39.7%」にも相当する新株式を発行するのです。
何を意味しているかというと――「お金がない」です。
Money1でも以前ご紹介しましたが、同社の2023年業績は、第3四半期までで約3.6兆ウォンの赤字です。2022年にも約2兆ウォンの営業赤字でした(6四半期連続赤字)。
さらにいえば、2021年末から2023年09月末までの期間で負債比率は158.5%から322.2%に上昇。
韓国では負債比率が200%を超えると「危ない」とされますので、同社は危ないどころではありません。加えて、借入金依存度は33.4%から46.8%に上昇しています。
財務状況はメタメタといっていい状況です。
だからこそ早期退職者募集を行っているのですが、中国企業に激しく追い上げられているディスプレー産業に今からお金を突っ込む人がいるでしょうか。
もちろん、グループ企業であり37%の持株比率の『LG電子』が最大限支援しないと仕方ありませんが※……「K-ディスプレー」も黄昏時かもしれません。
※2023年03月に『LG電子』から1兆ウォン借り入れています。
(吉田ハンチング@dcp)