韓国としてはホッと一息です。米韓外相会談が行われました。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が罷免寸前(しかも拘置所にいる)ですので、トランプ大統領との会談は望むべくもありませんが、せめて外相会談でも――と期待をかけていたのが叶いました。
以下は、今回の会談を終えた韓国外交部が出したプレスリリースです。
米韓外相会談(02.15)結果趙太烈(チョ・テヨル)外交部長官は、ミュンヘン安全保障会議(Munich Security Conference)に出席する機会に、02月15日(土)午前、アメリカ合衆国マルコ・ルビオ(Marco Rubio)国務長官と初の米韓外相会談を開催し、米韓同盟、北核問題、日米韓協力、米韓経済協力などについて意見を交わした。
趙長官は、韓国が安全で強固かつ繁栄する同盟を築くための最適なパートナーシップを強調し、合衆国トランプ政権の下でも対北朝鮮抑止力の強化、日米韓協力、投資および経済協力の拡大・強化を推進していく意向を示した。
ルビオ長官はこれに同意し、合衆国は自由民主主義国家として韓国との関係を重視しており、各国の国内状況に関係なく、信頼関係を安定的に維持していきたいと述べた。
両長官は、北朝鮮の完全な非核化目標を堅持し、今後の対北朝鮮政策の遂行過程で緊密に協力することを確認した。
また、北朝鮮とロシアの軍事協力に関する懸念を共有し、引き続き警戒しながら連携していくことで合意した。
趙長官は、韓国が主導してきた対米投資の成果を説明し、今後も同様の努力を維持・拡大するための良好な環境の維持と合衆国の協力を求めた。
両長官は特に、造船、原子力、LNG(液化天然ガス)などのエネルギー分野や、先端鉄鋼技術などが今後の米韓間の戦略的協力課題であることに共感し、その拡大のため積極的に協力していくことを確認した。
趙長官はまた、関税適用問題について、米韓間の緊密な協議による解決を模索し、相互利益となる解決策を探るべきだと述べた。
これに対し、ルビオ長官も関係当局と協議を進めていくことに同意した。
⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「米韓外交長官会談(02.15)結果」
「北朝鮮の完全な非核化目標を堅持」を、ルビオ国務長官と確認できたのは、とりあえず(日本にとっても)良かったです。
しかし、トランプ大統領の関税攻勢が世界的に猛威を振るっているので、韓国にとってもこれが恐れている点です。
面白いのは、米韓間の戦略的協力課題として挙げているのが、
・造船、原子力、LNG(液化天然ガス)などのエネルギー分野
・先端鉄鋼技術
となっていることです。半導体と自動車、バッテリーではありません。
「そもそも韓国に(日本からパクった以外の)先端鉄鋼技術なんかありましたっけ?」なのですが、中国に押されっぱなし、かつ関税攻勢で危うくなってきたので、『POSCO(ポスコ)』などの鉄鋼業の先行きを懸念しているようです。
造船が入っているのは海軍艦艇のメンテや建造を請け負いたいとという表れですし、原子力は合衆国企業の許可を得て原発輸出を増やしたいという銭儲けが念頭にあると思われます。
最後の「関税適用問題について、米韓間の緊密な協議による解決を模索し、相互利益となる解決策を探るべきだ」というのは、韓国のご意見なので、ルビオ長官からすれば「知らんがな」です。
ルビオ長官が「関係当局と協議を進めていく」以外に何も言うことはないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)