投資関連の記事を見ていると、たまに「ブラック・スワン」という単語が登場することがあります。このブラック・スワンとは何かご存じでしょうか?
ブラック・スワン(black swan)は、そのまま「黒い白鳥」(黒鳥)ですが、「起こり得ないとされていること」「発生が予想できなかったため起こると甚大な影響を及ぼすこと」という意味で使われます。
これは、1697年にオーストラリアで黒い白鳥(つまりは黒鳥)が見つかって鳥類学者に大きな衝撃を与えたことに由来します。それまでは黒鳥なんていない、とされ、「黒い白鳥を探すようなもの」という言い回しは「無駄な努力」という意味だったのです。
このブラック・スワンの意味を引いて、
「ありえないと思われていたことが起こってしまうと、その影響は予想をはるかに超えた甚大なものになる」
という「ブラック・スワン理論」が、ナシム・ニコラス・タレブ(Nassim Nicholas Taleb)さんによって提唱されました(ただし彼は、巷間いわれるBlack Swan Theoryではなく「Black Swan idea」としています)。
タレブさん(上掲の写真)は、ウォール街で長年デリバティブトレーダーとして働いた経験を持つ「認識論の研究者」という珍しい人で、クオンツたちお得意の「リスクの定量化」などの計算に懐疑的なスタンスを取ることで知られています。
日本語に訳された著作もありますので、もし興味を持ったら手に取ってみてください。
(柏ケミカル@dcp)