韓国を予定どおりのインフレが襲っています。
2021年12月31日、韓国の統計庁が「2021年12月および年間の消費者物価動向」を公表しました。まず、以下をご覧ください。
消費者物価指数:3.7%上昇
生活物価指数:4.6%上昇
生鮮食品指数:6.7%上昇⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2021年12月および年間の消費者物価動向」
※上昇幅は対前年同期比(以下同)
以下が直近4カ月の推移です。
10月に3%台の上昇に入り、「10月:3.2%」「11月:3.8%」「12月:3.7%」と高い上昇幅を維持しています。
統計庁のプレスリリースには「前月比は電気・ガス・水道は変動せず」なんて書いてありますが、これは韓国政府が電気代を上げさせないのが原因でその分の赤字は公社が被っています。結局そのツケは国民が税金で補てんするので、値上がりしているのと同じです。
以下が消費者物価指数の騰落率のグラフです。
対前年同月比でどんどん上昇して、上昇が高止まっているのが分かります。ちなみに同じ統計庁の発表では、先月11月は「3.7%の上昇」でした。しかし、今回12月の発表では、なぜか11月は「3.8%の上昇」に上方修正されています。
そのため12月は「11月と比較して下がった」ように見えます。しかし、韓国に尋常ではない物価高が到来しているのは間違いありません。
今回の統計庁の発表で面白い点があります。
これまで消費者物価指数について「2015年=100」として、例えば「2021年09月は108.93」という発表がなされてきました。
これが、12月31日の発表では「2020年=100」に変更されています。以下をご覧ください。
↑今回公表されたデータ。「2020年 = 100」で計算されています。
今回の指数を以前と同様に「2015年 = 100」で計算するとどうなるでしょうか。
2021年12月は「110.72」になるのです。2015年比でついに10%を超える物価高となっているわけです。
新しい基準「2020年 = 100」で見ても、2021年は2020年比で「2.5%」も上昇しました。この上昇幅は2011年以来最大、つまり10年ぶりの物価上昇なのです。
というわけで、韓国ではスタグフレーション※懸念がさらに高まっています。
※スタグフレーションでは、景気の後退と同時にインフレが起こります。
(吉田ハンチング@dcp)