韓国「資金の干ばつ」。債券・証券・不動産まで「お金がない」

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韓国の資金調達市場で金利が下がりません。

そのため企業が資金調達に苦しんでおり、とうとう「金干ばつ」という言葉が韓国メディアに登場しています。

『ソウル経済』の記事から一部を以下に引用してみます。

16日、ソウル債券市場で優良等級のAA級の社債3年物金利は年5.416%を記録し、国庫債3年物(年3.808%)との信用スプレッドが160.8bpとなった。

これは2009年05月06日(165bp)以後13年6カ月ぶりの最大幅だ。

今年初めでも50bpラインにとどまった信用スプレッドは、09月末に100bpを突破した後、連日上昇幅を広げている。

スプレッドが拡大するほど、企業の立場では資金調達がますます難しくなる。
(後略)

⇒参照・引用元:『ソウル経済』「債券・証券・不動産までお金がない…韓国経済超緊急」

「信用(クレジット)スプレッド」というのは、企業などが債券を発行する際に上乗せしなくてはならない金利のことで、韓国の場合には最も枚数の多い韓国債3年物の利率を基準とします。

例えば、韓国債3年物の金利が「4%」だったとして、これに「ナンボ積むねん」の利率が信用スプレッドになります。信用スプレッドが75bp(=0.75%)であれば、その債券の金利は「4.75%」になるわけです。

当然ですが、信用度の低い企業の債券であれば、リスクが高いので信用スプレッドは大きくなります。

で、その基準となる韓国債3年物の金利は低下傾向にあります。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。

一時4.5%寸前までいったのですが、ダブルトップを作って下落。2022年11月17時点で「3.79%」まで下がっています。

ところが、信用スプレッドは拡大を続けています。

記事にあるとおり、信用スプレッドはとうとう13年6カ月ぶりの「160bp」(=1.6%)に達しました。

短期資金市場でも厳しい状況に変わりはありません。

信用格付けがA1の91日物CPの金利が「5.26%」まできました。A1の証券会社の短期金利は「6%」を突破しています。

企業にとってはたまったものではありません。営業利益が5%あればいい、というような企業からすれば明らかな高利です。資金調達できたとしても返済できるのか、となります。

信用スプレッドが拡大を続けているため、債券やCP(Commercial Paperの略:約束手形の一種)の金利が下がらないのです。そのため韓国企業は高金利で債券・CPなどを発行できず、資金調達が困難になっています。

というわけで「お金が回らない」――「金干ばつ」となるわけです。

(前略)
資金市場の「ブラックホール」として指摘された『韓国電力』による債券発行が持続し、債券市場でも金干ばつの中、証券市場の顧客預託金が減って不動産取引も減少するなど、証券や不動産でも金が回っていない。
(後略)

⇒参照・引用元:『ソウル経済』「債券・証券・不動産までお金がない…韓国経済超緊急」

同記事は上掲のように書いています。むべなるかな、ですが、とにかくお金が回らなくなるのが最悪の状況です。

(吉田ハンチング@dcp)

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