気球の件もあり、アメリカ合衆国と中国の対立が激化しています。
2023年02月15日、合衆国の財務省から「2022年12月時点」での「合衆国公債の主要ホルダーとその金額」が公表されました。以下をご覧ください。
⇒データ出典:『アメリカ合衆国 財務省』「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」
前月から、中国はさらに合衆国公債を31億ドル売りました。中国は2022年08月以降、再び合衆国公債の売却に転じ、ついに「保有額:8,671億ドル」まで下落しています。
これで2022年が締まったわけですが、1年間の保有額の推移は以下のようになります。
2022年01月の保有金額は「1兆338億ドル」だったのですが、12月は「8,671億ドル」。
驚くなかれ、この1年間で計「1,732億ドル」分を売却したのです。
かつてご紹介したように、中国の英語版御用新聞『Global Times』は、「このまま合衆国が中国と対立姿勢を続けるのであれば、米国債の保有を8,000億ドルまで減少させるかもしれない」と合衆国を脅したことがありました。
2022年12月時点で「8,671億ドル」まで減少しましたので、現実になりつつあります。
ロシアへの制裁を見て、「外貨準備を合衆国公債で持っているのは危ない」と売却を進めているのかもしれませんし、単純にドルを調達しているのかもしれません。
この「8,671億ドル」は、2010年06月以来、実に12年ぶりの低水準です。
※もっとも、日本も2022年には合衆国公債の保有額を「2,245億ドル」売却しています。『Global Times』は、日本・中国、世界の2大国の巨額売却を「強いドルに対する債権者の信頼の低下と、合衆国経済に対する懸念を示している」と書いています。
(柏ケミカル@dcp)