韓国の中央銀行である韓国銀行は、アメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結したスワップライン※(ドル流動性スワップ)を利用して「ドル」を調達しています。
韓国銀行は毎週ドル調達を行っており、返済しなければならない金額は2020年04月30日の時点で「174億5,800万ドル」まで積み上がっております。
当然このドルは、満期日が来たら「利子」を付けて返却しなければなりません。ドル流動性スワップというのは、簡単にいえば「『お金』(自国通貨)を担保にしたローン」だからです。
では、これまでのドル流動性スワップの利用でいくら利払いが発生するのでしょうか?
韓国銀行がこれまでに借りたドルは、第1~5次の利用で以下のとおりになっています。
調達金額 | 満期 | 年利 | |
第1次調達 | 79億2,000万ドル | 84日 | 0.9080% |
第2次調達 | 41億4,000万ドル | 84日 | 0.5323% |
第3次調達 | 20億1,500万ドル | 83日 | 0.3567% |
第4次調達 | 21億1,900万ドル | 84日 | 0.3386% |
第5次調達 | 12億6,400万ドル | 85日 | 0.3348% |
利率は「年利」、つまり「1年間借りてこれだけ」という表記です。これは私たちが利用するクレジットカードのローンなどの「利率表記」と同じで、この年利を「365(日)」で割って、1日当たりの「利率」を求め、「満期」の日数を掛けて「○日借りていたら利率は○%になるよ」と計算します。
例えば、第1次利用の「79億2,000万ドル」の場合、「84日」満期で年利「0.9080%」ですから、「0.9080% ÷ 365日」で1日当たりの利率を計算し、これに84(日)を掛けたものが「84日借りた場合の利率」になります。
実際に計算してみると「84日借りた場合の利率」は「0.208964%」になります。
この「84日借りた場合の利率」に「79億2,000万ドル」を掛けて利払いの金額を計算するわけです。で、これを第1~5次調達について行ってみると利払い金額は以下のようになります。
調達金額 | 利払い金額 | |
第1次調達 | 79億2,000万ドル | 1,654万9,979ドル |
第2次調達 | 41億4,000万ドル | 507万1,579ドル |
第3次調達 | 20億1,500万ドル | 163万4,419ドル |
第4次調達 | 21億1,900万ドル | 165万1,218ドル |
第5次調達 | 12億6,400万ドル | 98万5,504ドル |
小計 | 174億5,800万ドル | 2,589万2,699ドル |
合計で「2,589万2,699ドル」。日本円に換算すると「27億6,870万6,304円」です(2020年05月02日「1ドル=106.93円」で計算)。
利率はそれほど高いものではないかもしれませんが、借金の金額が積み上がるとこのように利払い金額も大きくなってしまうのです。あくまで現時点での計算ですが、利払いだけで「約27.7億円」というのはかなりイヤな感じです。
まさに「ご利用は計画的に!」です。
※韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(柏ケミカル@dcp)