DCの運用は成功しているのか投信会社に聞く!

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あなたは「DC」(確定拠出年金)を利用していますか? 老後の資産をつくるために「DC」を利用している人はまだまだ少ないといわれています。企業に勤めている皆さんは、自分の会社に制度があれば利用していらっしゃるでしょう。今回は実際にDCでどのような運用益が出ているか、という話です。

■DC(確定拠出年金)って何!?

「DC」とはDefined Contributionの略。正確には「Defined Contribution型の年金」で、毎月決まった金額を退職後の資金として積み立てる制度です。「毎月定額を拠出する」、つまり拠出するお金が確定しているという意味で「確定拠出年金」と呼ばれています。また、現行の制度では、毎月拠出できるお金は上限5万5,000円までと決まっています。

DCの大きな特徴は、毎月拠出するお金(掛け金)の運用先を自分で決めることです。将来の給付額が決まっている「確定給付年金」とは違って、運用によって想定以上の利回りになることもあれば、想定外に減ってしまう可能生もあります。

また老後の年金資産をつくるための制度ですので、60歳になるまではお金を引き出すことはできませんが、掛け金に対して所得税や住民税等がかからない上に投資収益に対しても課税されない、すなわち税制の優遇が受けられます。

■企業が掛け金を出してくれる場合もある!

このDCには、


・企業型確定拠出年金
・個人型確定拠出年金

があります。

「企業型確定拠出年金」は、事業主(企業)がお金を拠出して、従業員がそれを運用するものですが、2012年1月より従業員本人の“マッチング拠出”が可能となりました。これは、事業主の拠出分に加えて加入者本人が自ら掛け金を上乗せできる制度です。

「個人型確定拠出年金」は、自営業者や一部のサラリーマンが自身のお金を拠出して運用するものです。マッチング拠出をする場合には、会社の拠出するお金と合わせて上限の月額5万5,000円まで、また他に企業が年金制度を用意している場合には月額2万7,500円まで、という制限があります。

どちらの場合でも拠出金は所得税控除の対象になります。ただし、企業型確定拠出年金はその企業が従業員に向けて制度を導入していなければ利用できません。

『貯蓄ゼロから始める安心投資で安定生活』(著:野尻哲史/オレンジ世代新書)によれば、勤労者3万人にアンケートを行ったところ、DCを利用していると回答した人はわずか18.0%という結果だそうです。「企業型」「個人型」とも、まだまだ利用者が少ないのが現状です。

■実際にDCってどのぐらいの運用益が出る!?

では、実際に企業型確定拠出年金を利用している人はどのぐらいの運用益が出ているのでしょうか? その実例を見てみましょう。

フィデリティ投信株式会社に勤務する方にDCの運用について聞いてみました。以下はその回答です。

●Hさん(30歳代・男性)の場合
・会社の確定拠出年金ではどのように運用していますか?
⇒日本株投信に2割
⇒外国株投信に2割
⇒バランス型投信に3割
⇒定期預金に3割

・月々の掛け金は?
⇒会社の拠出分:5万5,000円/月(上限いっぱいまで活用)
⇒自己拠出分:なし

・これまでの運用期間は?
⇒通算約7年

・具体的にどのような投信を運用していますか?
⇒フィデリティ・日本成長株・ファンド:20%
⇒フィデリティ・米国優良株・ファンド:20%
⇒フィデリティ・バランス・ファンド:30%
⇒三菱東京UFJ銀行・1年定期預金:30%

・運用損益の状況は?
⇒2014年8月来、約15%の利益

●Mさん(30歳代・男性)の場合
・会社の確定拠出年金ではどのように運用していますか?
⇒元々は外国株投信7割、日本株投信3割だったが、今は全て保険商品に切り替えて運用中。ただし、あくまでも一時的に緊急避難(待機)しているだけ。

待機している理由は、中国株式市場が昨今不安定で、それが短期的に世界市場を揺るがす可能性がまだあると見ているため。中国市場が落ち着いてきたと自ら判断すれば、日本株や外国株の投資信託等に切り替えるつもり。

・月々の掛け金は?
⇒会社の拠出分:5万5,000円/月(上限いっぱいまで活用)
⇒自己拠出分:なし

・これまでの運用期間は?
⇒通算約2年

・具体的にどのような投信を運用していますか?
⇒ニッセイ利率保証年金(5年保証/日々設定):100%

・運用損益の状況は?
⇒入社来、約19%の利回り

運用益を見るとかなり高い運用益を出していることが分かります。年金資産を確保するために、長期投資を前提としたスタンスや分散投資の成果が垣間見えるのではないでしょうか。もし、皆さんが勤務している会社に企業型確定拠出年金の制度があれば、それを利用した方が良いかもしれません。また、個人でもDCについて一考するのが良いのではないでしょうか。

フィデリティ投信株式会社

(高橋モータース@dcp)

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