2020年09月24日、中国の人民解放軍のロケット軍(PLA Rocket Force)が演習を行ったとして「解放軍報」(解放軍デイリー)から動画が公開されました(もともとWeiboで公開されたものとのこと)。
↑「解放軍報」の動画を2020年09月24日の『Global Times』Twitterで公開したもの。スクリーンキャプチャー。PHOTO(C)『Global Times』
中国共産党の御用メディア『Global Times』の公式Twitterでもその動画が見られます(上掲)。演習で「東風11」という型のミサイルを10発発射した、としているのですが……。
中国ネチズンの目はごまかせませんでした。
実はこの動画は2016年に『CCTV』(中国中央電視台)によって製作された『火箭軍大演兵』に酷似しており、そのフッテージを取ったものであるというのです。
当局は「東部戰區轄地」(東部戦区管轄地)といっているのに、「これは明らかにゴビ砂漠だろ」と指摘されています(『火箭軍大演兵』がゴビ砂漠のミサイルサイトで撮影されたようです)。
という突っ込みもされています。
ちなみに香港メディア『Apple Daily』が検証(というか「からかう」ような)動画を公開しており、
↑『Apple』Dairy』の検証ビデオの1カット。右が2016年の『火箭軍大演兵』。左が09月24日に公開された動画です。完全に一致します。PHOTO(C)『Apple』Daily』
また、ネチズンの皆さんも検証を行っており、例えば以下です。
↑ミサイルが着弾したシーンの比較。上が09月24日に公開された動画、下が2016年の『火箭軍大演兵』です。これまた完全に一致します。PHOTO「Autumnson」さんのサイト
というわけなので、どうも今回された動画も他の動画からパクってきたもののようです。
こうなってくると本当に演習を行ったかどうかも怪しいものですが、演習は行ったものの撮影するのを忘れたので「しゃーない、昔のやつを借りてきてカッコいいのにしよう」となったかもしれず、真実は不明です。
しかし、本当に演習を行ったのならその時の写真カット、あるいは動画を使用した方がいいのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)